2018年3月31日土曜日

港会席

以前、大先輩の古希を祝う席を設けた事があって、
その時食べたステーキ付きの会席料理がすこぶる美味しかった。
 
そんな記憶があったので、還暦祝いに何を食べたい?
と言われた時、その会席料理の話を返した。
 
そんな席を今日、用意されたので
たぶんそのコースだったろう港会席をオーダーしてみたワケで。
 
 
「窓際の席は全部いっぱいで、
 土曜だから2時間までって言われちゃったよ」
 
「あれ。そんな事言うんだ。
 まぁ外が見える席は人気あるし、今日はブルームーンだし?」
 
「早い時間なら空いてるかと思って予約したんだけどね」
 
 
日頃、外が見える席なんかに座らない自分だけど、
会席料理になっちゃうとカウンターで食べるわけにはいかないし、
急遽、寿司に変更しようとも思ったけど、そもそもカウンターに空きは無かった。
 
 
先付   筍木の芽味噌掛け 才巻海老 蕨 花弁百合根
お椀   蛤吸 寄せ蛤 若布 独活 浜防風
お造り  盛り合わせ
凌ぎ   岩もずく 叩き長芋
焼八寸 魴味噌柚庵焼き 穴子木の芽寿司 花弁生姜 フルーツとまと
      鯛の子花煮 はじかみ
煮物   山菜沢煮 胡麻ポン酢
強肴   黒毛和牛ステーキ(ヒレ) 青唐 椎茸 辛子
      刻み野菜サラダ
食事   寿司
水菓子

港会席のお品書きを読んでて、
こんな感じだったかな・・・と過去の記憶を呼び戻す。
 
和食だから季節によって食材は変わるので、
過去に食べた料理の内容が同じってわけにはいかないよね。
 
 
  
 
春らしい料理が、出てきた。
 
全般的に美味しいんだけど、
やっぱり席数が多くサーブされる時間が長くなる事を考えてか、
素材の味を前面に出すよりも、しっかりとした味付けの中に
素材の姿を浮き彫りにするような工夫が随所に見られる。
 
お椀の蛤はちゃんと料理がされていて、
寿司ネタの煮蛤を思わせるような風情があった。
 
 
  
 
山菜沢煮とあったこの料理は、
コースの中で一番秀逸な出来上がり。
 
関東風の出汁の取り方ではあるけど、素材の個性がちゃんと活きていて
見た目も楽しい料理になっていた。
 
 
  
 
本来はサーロインが用意される黒毛和牛ステーキ。
ただ、昨日も夜中にサーロイン食べてたから選べるフィレをオーダー。
 
美味い・・・けど、ソースが強すぎるね。
 
甘辛い味付けが前面に出て来て、
過去に食べた時のような感動は起きなかった。
 
でも、強肴まで来る流れはバランスが取れてて、
コストに見合う味わいはちゃんとあると感じる。
 
 
「しかし、60歳ってなんか信じられないね」
 
「自分でも、60ってイメージは無いよ」
 
「でも最近は、あまり夜遊びしてないんじゃない?」
 
「朝早い仕事だから、眠くなっちゃうんだよ」
 
 
それなりに、歳を食ってるって事なんですよ・・・と
心の中で呟きながらも、節目となる還暦祝いの宴に食べる物が
和食となる事にこそ、歳なんだろうな・・と思い知る(爆)
 
 
  
 
最後に出てくる食事は、にぎり寿司。
 
ただ、ちょっと山葵が勝ってて、
せっかくのネタが勿体ないと思う

多分これも、握った後の時間の長さを考えてのやり方だろうけど、
穏やかに食事を楽しみたいパートで、思わずお茶を飲みたくなるほど
山葵のパンチを効かすのはどうだろうね。

でも、仕事人生を振り返ってみれば。
今日のコースはまさにそれを表しているように見える。
 
営業以外の全ての部署を渡り歩き、出向にも出て、
他の誰も扱った事の無い仕事も幾つかこなしてきて、
最後の仕事がまたエキサイティング。
 
ここまで山葵効かさなくても・・な動きをしてる自分だから、
今日のコースはあまりに今の自分に合い過ぎで、思わず笑ってしまった。
 
来月からは、再雇用。
 
暦も新たになるわけで
生き方も働き方も新たな方向へ向かう。

同じ立場で今までと同じ仕事が続くから
自分としてはあまり変化を感じないだろうけど
色々と考えるタイミングでもあるのだろうね。
 
ありがとうございます。
ごちそうさまでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

BUILD A BURGER

人混み嫌いではあるけど、 取材なので行ってみた「CP+2025」。         プロからアマのカメラファンにまでと門戸を広げたイベントなので、 一般客がいないプレスタイムに訪れたのに、それでもかなりの人出があってビックリ。         イベント内容はnoteに書い...