2017年5月4日木曜日

蕎麦って、不思議な食べ物だと思う。
 
蕎麦の美味しさを表現できないって前にも書いてきたけど、
未だに、コレが蕎麦の美味さという物を発見できていないのだ。
 
だけど、美味しい蕎麦は、
食べた瞬間に美味いと思うのだからすごく不思議。
 
香りとか味とか言う人はいるけど、
香りが弱々しくても美味しく感じる蕎麦もあるし、
食感や喉越しが良くても、味も素っ気もない蕎麦もある。
 
更級に至っては、これってダメな素麺?って言いたくなるような
腰も味も弱っちいヤツが多かったりして、ほんと不思議な食べ物だって思っている。
 
で・・・
だったら、どこの店の味が基準なのよ?
って自分自身で思うのだけど、
これが難しい。
 
たぶん子供の頃住んでた所のそばにあった商店街の蕎麦屋の味が、
自分の中にすり込まれた基準になっていると思うんだけど、
今なら、一昨年までやってた年越し蕎麦喰いの会場となっている
「江戸藤」の蕎麦がちょうど基準だと感じている。
 
でもこれが、砂場とか藪、布屋太兵衛など老舗と言われる有名店や
ミシュランで星を取っちゃった高級店となると、基準が変わってくる。
 
そりゃそうだよ、
単価が違い過ぎるんだから(^_^;
 
そりゃミシュラン系の蕎麦屋より老舗系の蕎麦屋の方がまた安いけど、
それでもちょっとどうなの?ってくらい、結果的に高額になる店が多い。
 
 

 
昨日、飲んだくれてユルユルで電車で帰ってきて、終点の浅草に着いたとき、
小腹が空いている事に気がついて、並木藪の蕎麦なら一枚手繰ったらちょうど良い・・
と思っちゃって、久しぶりに訪れてみた。
 
店が新しくなった後に行って水がダメでぶち切れた後、
何年後かに訪れたらどうにか復活していた事は、ちょろっと書いたと思う。
 
で、最近は晋山の蕎麦にやられているので、
ふと、老舗蕎麦屋の味を確認したくなったのだ。
 
そう、たぶんこの店が、老舗&高級店の基準として
自分の中にはあるのだと思う。
 
頼むのはもちろん「ざる」(一般的には「もり」と言われる物)
 
 
  
 
出たよ、逆反りのざる。
 
これで750円。
量的には晋山の半分。
 
味は・・・・
 
 
 
あ・・・
 
 
普通・・・・(T.T)
 
ってか、基準として良いのか?
 
 
まぁ、それなりに美味い蕎麦ですよ。

でも何だろね・・・
感動が無い。
 
浸け汁は、昔のような辛さは無くて、
あの、ほんの少しだけ浸けて、まだ蕎麦に残っている水とともに啜ると、
丁度良い辛さに薄まると同時に、蕎麦を食べている・・という気分を盛り上げる感動は、
どこにも無い。
 
これなら、どっぷり汁につけて食べても大丈夫ではあるけど、
そうやって食べるように、敢えて素っ気ない蕎麦にしてしまったのか?
と思うくらいに、なんだか味気ない蕎麦だった。
 
たぶんね
蕎麦って美味さのモトがわかりにくいから、
美味しい蕎麦に出会うと、それが基準として上書き保存されてちゃうんだと、思う。
 
面白いのは、並木藪のそばを食べて、初めて晋山の蕎麦の甘さが恋しいと思った事で、
あのほのかな甘さが、蕎麦本来の味に加わって美味さとして感じられている
って気付いたことだ。
 
薬味のネギは、蕎麦湯に入れて楽しんだけど、
ネギ入れると本当に味も香りもわからなくなるね。
 
そして、汁の一本調子な醤油の強さと淡い酸味が強調された結果、
出汁の弱さが気になってしまった・・と。
 
藪の汁は、やっぱり辛いほうが楽しいと思う。
 
切った水が落ちきる前に蕎麦を手繰って、
次の一枚をタイミング良く出してもらえたら、
3枚くらい、するするっと手繰って満足できるんじゃないだろうか?
  
 
これからは、蕎麦が食べたくなったら、晋山へ行こう。
 
自分にとっては、並木藪より美味しく安い蕎麦があって、
酒のアテも素晴らしい物が揃っていて、何より横浜にある事が嬉しい。
 
 
良い勉強になりました。
ごちそうさまでした。

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