2020年11月10日火曜日

横浜晋山で穴子刺しとか

鰻とか穴子は刺身で食べないのは血に毒があるからで、
その毒は加熱により消える。
 
以前に小柴の寿司屋でほぼ生な穴子の刺身を食べた時、
ほぼ生って何?って会話からその事実を知った。
 
前にもその事を何回か書いているけど
実際問題、鰻や穴子の刺身を出す店は滅多に出会えない。
 
毒がある血を1リットル飲むと致死量になるという話もあって
ちゃんと血抜きをすれば問題無いと思うんだけど、
そこは和食の凄いところで、生食の安全性確保を最優先で考えるから、
危険性がわかっている物は出さないのが基本になるのだろう。
 
若い頃通った寿司屋の大将と話をする中で、
随分、そんな考え方や手法を教えてもらったけど
その店には穴子の刺身なんてそこでは扱ってなくて
血の毒の存在を知ったのは随分後だったと記憶している。
 
 
「あれ? 今日って穴子の刺身あるの??」
 
「あります。熟成してます。」
 
「珍しいね。いただきます!」
 
 
 
 
お〜
この歯ごたえと脂。
熟成で膨らんだ旨みはヤバいねぇ
 
以前に食べたヤツは、湯引きした半生と言われたけど
今日のとは違って歯ごたえがなかった。
 
穴子は血だけじゃなくてヌメリもヤバいから
活け締めされてないと刺身に加工できないとも聞いていて、
だから手間ひまのかかり方は想像したくないって思った。
 
晋山は、ちょっと珍しいアテになる料理が面白くて、
滅多に出会えない食材や料理が必ずメニューのどこかに載っていたりする。
 
その料理の魅力に加えて打ち立ての更科の魅力があって、
シメの蕎麦までのコースと酒を楽しめる時間は
他の店では感じられない楽しさになっている。
 
 
「暖かい蕎麦を食べたいんだけど、
 メニューにないヤツを頼んでも良い?」
 
「良いですよ。
 材料がある物ならお作りします」
 
「月見が食べたいだ」
 
 
大将がニコッと笑って、
そんなワガママを聞いてくれた。
 
 
 
 
玉子好きな自分にとって、月見蕎麦はちょっとご馳走。
だから立ち食い蕎麦でも生卵落として月見にして食べるのは定番にしていたっけ。
 
晋山の月見は基本の造り。
 
温めた丼に茹でた蕎麦を乗せ、四つ切りの海苔を敷いて玉子を乗せる。
そしてその上から汁を張るという手順を踏んでいた。
 
海苔は夜空で黄身が月、白身が白くなった部分は白雲を表しているのだけど、
こうやってちゃんと海苔を使った月見って、あまり出会えてない。
 
たぶんそれは、最初から月見蕎麦を頼む事が無いから出会いが少ない事と、
玉とも呼ばれる海苔無しの月見蕎麦を出す店も少なくないからだと思う。
 
で・・・
熱い汁の中に黄身を崩さずに保ちながら蕎麦を食べ、
最後に黄身を汁と共に食べるか、
黄身を先に溶いて、蕎麦に絡めて食べるかで悩む。
 
先に黄身を溶いちゃうと、勿体なくて汁を全部飲んじゃう事になるので
汁が辛めな店だとまずやらないんだけど、晋山の汁は飲めちゃうので悩ましい。
 
と言う事で、今日は黄身を美味しくいただくための後者を選んで
最後の最後に黄身を楽しませて頂いた。
 
あ〜
やっぱ月見蕎麦、好きだなぁ・・・
 
ごちそうさまでした。
☆☆

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