今の勤務状況ではなかなか食べに行く事が難しい。
と言うのも、
寿司屋は客の入りを予測してネタを仕込むため、
早めに入店しないとネタ切れになってて楽しめない可能性があるからだ。
勿論「おまかせ」のみで予約必須な高級店ならちゃんと用意されるけど、
そんな店だってそうそう遅くまで待っていてはくれない。
浅草で老舗の寿司屋へ行った時、予約して18時ちょい過ぎに入店したら
車海老が既に終了という悲しい事態に遭遇して以来、
「寿司屋へ行くなら早めに入店」を基本と考えるようになった。
その時は、予約しても一見だし、
そもそも席だけの予約じゃこうなるんだ、と学んだのですよ。
だから自分としては19時前までに入れる可能性があったら
まず電話して席を確保して、必死になってその時間に間に合わせる
という行動を取っている。
「久しぶりです。
今日なんですけど19時前くらいに行けそうなんですが
席ってありますか?」
「お一人ですか?」
「はい」
「カウンターの角になりますけど、良いですか?」
「勿論」
「お待ちしています」
もう、半年くらい行けてない「海老原」
横浜ベイホテル東急がまだパンパシと呼ばれていた頃、
日本料理店の寿司カウンターを担当していた大将が開いた店で、
関内という土地柄もあって、同伴客のワガママも受け入れる
間口の広い営業スタイルが気に入っている。
「今日、鱧ありますけど食べますか?」
「あぁ、良いですね。
シーズンですよね」
こういう料理を和食専門店で食べるのは
ちょっと勇気がいる。
毎週の様に通って顔を売って、
ワガママを聞いてもらえる関係になってから
ちょっとだけ飲ませてね〜な感じのアテにチラッと出してもらう。
そんな食べ方ができるなら頼めるけど、
普通はコースの中に出てくるのが普通で、当然お安くないからだ。
そういう意味では海老原は貴重で、この手の一品料理が充実していて、
コスパが良い食材を見つければ積極的に仕入れて勧めてくれるのだ。
(一時期、河豚までやってたけど、最近はどうなんだろう?)
そう、こんなのが食べたかったのよ〜
海老原では基本はおまかせになるんだけど、
それもビスポークで、大将からネタのおすすめを聞いて選ぶ、
なスタイルができあがっている。
「あ、今日、車ありますよ?」
「嬉しい! いただきます」
車海老はあまり仕入れないので、
海老好きな人にはそうやって教えてくれるんだけど、
食べ方も生かボイルかも客の好みを覚えていて、
生が出せない時は生が好きな人には声がかからないようだ。
私?
勿論、ボイルです。
生よりボイルの方が甘味があるし美味さも感じやすい事と、
寿司のいろはを教えてくれた山田屋の大将の言葉、
「生は食中毒の可能性を否定できないから、湯で消毒して
半生な状態で出しているけど、その方が身の硬直が取れて食べやすい」
が、ずっと残っているっていう事もあるのだ。
美味いよね〜
甘味が楽しいし、食感も好きだなぁ(^_^)
海老原の好きなところは、
味つけの方向性が好みだという事に加えて、
カウンターメインの寿司屋としてはリーズナブルなところ。
小さい店だからネタケースにある魚の数は限られるのに、
実際はかなりのネタ数があるので、見せないネタも数量限定で用意されているのだろう。
ただ、それでも自然の物を相手にしている商売だから
ネタが揃わない時も当然にある。
同時に、同伴客が3組とかバッティングしたら
それはもう、ごめんなさい・・と席を立つ気になってしまう事も。
でも、その同伴客の話や所作が面白いので、
それを観察している楽しさに負けて、実際に出る事は無かったけどね。
ヅケ
これが食べたかったのよ〜
鮪のヅケは大好きで、中トロとヅケならヅケを選ぶくらい好きなんだな。
(ま、両方食べるけどね)
海老原にはアドベック10年を置いてあって、
たまにしか行かなくても、流すような事はせずにキープされている。
寿司屋に限らず、気に入った店に通って常連になって、
色々話ができるような関係を持つ事は大事だ。
店から見れば、来ればいくらお金を使うかが予測できるし、
好みがわかっているから合わせやすい。
予約スタイルとオーダーのクセも知っていれば、
対応できそうに無い時は、断ってくれるという親切もできるのだ。
コロナ禍において、営業が続けられている飲食店は
総じて固定客を大事にしている店だと感じている。
海老原も、聞けば以前の8〜9割程度の入りで、
大きく影響を受けたとまでは言えない状況で営業できているとのこと。
観光地横浜にとっては大打撃な新型コロナウィルス問題。
日銭で回していくスタイルの飲食店にとっては
頑張るだけ損をするような事態に廃業を決める人が増えてきた。
徐々に規制緩和が進んでも、季節が夏にシフトしようとも、
日々、分母のわからない感染者数だけが報道され、
不安感だけが膨らむ毎日に心が荒む。
そしてやり場の無い気持ちを
クレームとしてぶつけてくる人も多くて・・・
だから、こういう時間が必要なんだけど、
そんな事態に対応していると、結局晩飯難民になってしまう時刻まで
職場を離れられない、という日常に疲れている。
次、寿司を食べに行ける日って、何時来るんだろう。
寿司だけじゃなくて、バーにだって行けてないし、
レストランだって・・・
もうちょっと遅くまで営業しててよ〜
と、自分勝手な感情を抱きつつも、
それでも暮らせている事に感謝する毎日だったりする。
ごちそうさまでした。
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