2020年9月19日土曜日

岩亀で鰻重とか

現在の横浜公園辺りにあった遊郭街「港崎町」
 
岩亀楼はその港崎町の名主であり最大規模を誇る遊郭だったのだが、
大火事があって消失。
 
遊郭街「港崎町」は現在の羽衣町辺りに移転して
吉原遊郭となり、岩亀楼は景色の良い角地に大きな店舗を持った。br />  
そしてまた大火事・・・
 
その結果が、現在の高島町辺りに移転となって高島遊郭と呼ばれ、
岩亀楼も移転した事で岩亀横丁ができたのか、現在も高島町に存在している。
 
ちなみにその高島町の遊郭は、
新橋ー横浜間の鉄道路線開通し線路が遊郭の真ん中を通る事になった事から
1882年までで営業許可の取り消しとなった。
 
その結果高島遊郭は現在の南区、桂歌丸師匠の生家がある真金町付近に移転するのだが、
歌丸師匠がその遊郭で育った事は有名で、
実体験が落語の枕で披露されることがよくあった。
 
「遊郭というのは、入る時は勢いよく入って階段は駆け上がらなくてはいけない。
 帰る時は逆にゆっくりと階段を降りるもので、
 それは、馴染みの娼妓に一刻も早く会いたい気持ちと
 別れを惜しむ気持ちを表現していた。
 だからそれを知らずに入口偉そうにもたもたする野郎は、
 粋じゃ無いと馬鹿にされた・・・」
 
・・なんて内容の話だったと思うけど、今日の主役は遊郭じゃなくて、
高島町の岩亀横丁にある河豚と鰻が美味しい「岩亀」の支店だ。
 
岩亀本店も知る人ぞ知る店なんだが、その支店となるみなとみらい店は、
三菱重工ビルの2階にあるとの事でさらにレア感がある。
 
実際に三菱重工ビル入ってみると、人がいない。
 
本当にこんなとこで店やってるの?
って感じのシャッターが降りまくった1階店舗スペースから2階に向かうと
これまた人通りなんて殆ど無い感じで居酒屋と岩亀が営業をしていたワケだ。
 
 
 
 
あの岩亀の支店なんだし大丈夫だとは思ったけど、
ここまで人が居ないとマジ恐い感じ。
 
ま、とりあえずビール飲んでから、
日本酒に移って・・・の鰻重、といきたい。
 
 
 
 
いや、ここ、本店じゃないし・・・(^_^;
 
でもまず間違いなく、三菱系な人達御用達な店だろうし、
岩亀の味はちゃんと受け継いでいるはず。
 
日本酒もかなりの数があるので、突き出しの他にもう一品頼もう・・・
と思ったら、やっぱいこれが食べたくなっちゃったね。
 
 
 
 
河豚の唐揚げ!
 
合わせるのは酔鯨にした。
  あ〜ね〜
美味いよねぇ〜
 
なんかこのままで終わってもOKだけど
今日は絶対鰻重って決めてたんだな。
 
 
「俺、生ビール飲みたいんだよ。
 キリンだよね?」
 
「えぇ。」
 
「ダメ、お義父さん、一人じゃ飲みきれないでしょ?
 瓶ビールなら分けられるからビンにしましょう」
 
「瓶ビールはどこの?」
 
「アサヒになります」
 
「じゃ、やっぱり生ビール」
 
「ダメです。飲みきれないでしょ?」
 
「お前が飲めば良い」
 
「私はキリン、嫌いなんです。
 スーパードライじゃないと飲めません!
 すいません、瓶ビールを1つ」
 
「キリン飲みたい・・・」
 
 
旦那と旦那の父親、そして妻と誰かの4人組が
壁を隔てた隣のブーズで、飲み物の事で揉めているのが耳に入った。
 
優しい口調ながらシッカリきっちりダメを出す女性の声にちょっと凄みがあって、
家庭内での老人の立場が想像できて少しばかり憐れにも感じて興ざめてきた。
 
こわいなぁ・・・
子供の家族と食事に来て、
好きなビール一杯も飲ませてもらえないってねぇ・・・
 
でも、家庭内での関係とか
それまで苦労して家を支えてきた嫁の立場とか色々あるだろうし
文句を言いたくなるような歴史があるのかも知れない。
 
そんな関係でもわざわざ岩亀まで来てるって事は
老人の好みだった可能性もあるだろうし、
だったら以前は三菱系な人だった可能性もある。
 
と思うのは
キリンビールって三菱系なので
三菱の人はキリンを好む事が多いのですよ。
 
そんな人達にとっては、
アサヒなんてビールじゃない!って言いたくなるだろうなぁ・・
 
 
 
鰻重、登場。
 
ちっとあっさり系のタレは醤油が勝った感じの味わいで、
八十八の鰻をちょっと思い出させる。
 
これはこれで良いね。
 
鰻は夏で痩せてるかって思ってたけど
それなりにしっかり脂があって、かなり楽しい。
 
あぁ・・
なんかまたあの家族から、
恐い感じの圧が伝わる会話が聞こえてくる。
 
こうなるとゆっくり飲む気が失せるね。

小言を聞かされながら食べる食事って、美味しくないしね。
 
と言う事で、耳が遠くなるまで酔う気にもなれず、
とっとと帰ることにした。
 
ま、そういう日もありますな。
 
店の居心地自体はフレンドリーで楽しかったけど
巡り合わせだね。 
 
ごちそうさまでした。

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