過去の経験なのか、支店を持つ予定は無いと言い切っていたアルペンジローが
元町店をオープンしたのは今年の3月25日だった。
さっそく出かけて感じた、本店とは違うコンセプトと味わいに
少し寂しい気持ちになった事は以前書いたけど、
ブライダルプロデュースという会社が飲食事業の1パートとして
展開している事を知って、本店の変化が気になっていた。
職場が近いから足を向ければ良いのだけど、
自分一人の感想では、日々変化する味覚能力によって
以前との比較は難しいと思っていて、
だから、以前の本店の味を記憶している人達と
食べに行く事にしていた。
「なんか、綺麗になってるね〜」
「まだ、胡蝶蘭が置いてあるけど、
ここもリニュアルしたんだっけ?」
「4月20日にリニュアルオープンした、とホームページにはあるよ?」
この店構えの空気は、元町店と通じるものを感じる。
ホームページは、今風のお洒落な物に書き換えられ、
総じて上質なイメージ作りに成功している、と言って良い。
「この入口だと、車椅子ユーザーはちょっと厳しいね」
「表の椅子は喫煙者用かな?」
え〜
うるさい客の典型かも。
ただ、友人にチェアウォーカーがいたり
自分自身もスティックウォーカーだから
アクセスチェックはお約束になっている。
北海道のスープカレーが有名になる前からアルペンジローのカレーはスープ系で、
だからこそ、横浜オリジナルだって思っていた自分だから、
食べログとかでスープカレーのカテゴリーに入るのはちょっと違うって思ってしまう。
(大きなお世話だけど)
「今、カウンターは満席ですので、こちらへどうぞ」と勧められたのは
店内の真ん中にある10人は余裕で座れる大きな机。
前は入口から入るとキッチンを囲むカウンター席があり、
その奥にレストランらしい設えの部屋があったんだけど、
現在はその部屋に入口が移っていて、テーブル関連もリニュアルされていた。
「あれ?
こんな価格だっけ?」
「安い?」
「こんなもんだったと思うよ。
前は本日限定メニューとかで色々あったから、
値段もそれぞれで、魅力的な料理はもうちょっと高かったかな」
「一通り食べますかね」
それぞれがチェックしたいカレーを頼む事になって、
私は確認したかったサーロインステーキカレーをオーダーした。
辛さのオーダーは以前と同様にできて、
私のデフォルトは「エベレスト」。
一番辛いのは「天国」で、その次に位置する「エベレスト」は
味がわかる程度の刺激だけど侮れない辛さってイメージがあって
味と辛さを同時に楽しむのにはベストチョイスだと思っている。
あ!
え?
あれ〜??
一同が異口同音に声を出す。
飯ごうで出してくれるご飯を、
皿に移すために飯ごうをひっくり返してから
皿に移した時だった。(アルペンジロー常連の儀式だ)
フライドオニオンが乗ってない!?
おいおい、元町店ではちゃんとご飯の上に乗ってたのに、
本店ではフライドオニオン抜きなんですか?
これじゃ、何のために飯ごうひっくり返して
皿にご飯を乗せたかわからないじゃん?
正直、ショックでぼ〜っとしてて、その合間に飯ごうを片付けられてしまったので、
写真も撮れなかった(T.T)
そして出て来たステーキカレーは・・・
何だろう・・・
何かが違う感じがする。
そう言えば、
アルペンジローで食べるべきカレーとして
自分がマークしたのは、和牛ヒレステーキカレーだったっけ(^_^;
<2011年12月撮影 国産黒毛和牛ヒレステーキ160グラム>
2011年の時点でも、カレーソースにパワーダウンを感じていたんだけど、
このヒレステーキの旨さとカレーソースとの相性の良さに、
認識を新たにした事を思い出す。
今日、オーダーしたサーロインは150グラムで2300円のプライスが付き、
牛ヒレはアメリカ産(IBPブランド)で120グラムが4100円となっていた。
カレーを見た瞬間に感じたのは、パワーダウン。
黒毛和牛がトップブランドとは言えUSビーフに換わり、
サーロインに至っては産地表示も無いわけで、
価格からも期待薄な気配が濃厚だった。
ここまで包丁入れるなら、いっそ切っちゃえば?
って言いたくなりつつ食べると、ステーキの味はコストなり。
カレーは、なんだか妙に甘くボディーが弱い。
そして何より、これは「エベレスト」の辛さでは無い!
サーロインは脂があるので補完するだろうって読みと、
コストパフォーマンスを見る目的でオーダーしたんだけど、
この値段の割には頑張った・・くらいの味だと思う。
ただ、野菜はダメ。
照明のせいもあるけど、ジャガイモ・人参・インゲンともに
予め仕込んで冷凍してた?って感じで、
ソースとの一体感も無く、味そのものも特徴に薄い。
なるほどこれなら、元町店との味の統一化はできてるんだろうね。
そして、元町店だけ・・な気配を見せてた牧場カレーは本店にもあるし、
アルペンジローというブランドで全国展開するつもり?
って邪推までしたくなってきた。
「なんかさぁ・・・
ここまでとは思わなかったよ」
「アイガー頼んだけど、全然辛くない。」
「富士山、辛いうちに入りません」
「前はラッキョウと福神漬けがあったのにね」
そうそう、
カレーを食べる時にちょっと欲しくなる薬味。
拘る店も多いのに、出て来たのはピクルス系の野菜を細かく切って和えた
なんだかよくわからない物が一つだけだった。
食べても酸っぱいだけの物だったので、使わなかったけど(^_^;
アルペンジローさん。
唯一無二の横浜カレーとも言える
オリジナルカレーを守って頑張ってきた事は、
よく知っています。
ブライダルプロデュースがバックアップして
その味を残そうとしてくれているのも、理解します。
まして、不景気。
材料高騰。
飲食業は、どこも凄い努力の上に成り立っている事も承知していますけど、
客側からすると、通ってでも支えたいと思える味や環境で無ければ、
やっぱり足は遠のきます。
以前からいらっしゃるスタッフの人達が
なんだか不憫に思えました。
きっと、この店が好きで食べにきた客が、
「なんか違う」とか「味が変わった」とか呟く声を聞きながら、
料理を残して帰っていく姿を見ているのだと思うと。
お願いです。
もし、この記事をご覧になって感じる事がございましたら、
その答えを料理で示して頂けないでしょうか?
横浜オリジナルのカレーは
浜っ子の大事な味。
それは単に味の記憶だけでなく、
食べた時の生活全ての記憶に繋がっているのです。
ちょっと無理してでも食べたいと思わせる料理には、
記憶を蘇らせる力と使命があって、だからこそ守って欲しいと
ユーザーとしては自分勝手に思うのです。
そのうちまた、参ります。
メニューが何も変わっていなくても、
味に意思が見られたら嬉しいです。
ごちそうさまでした。
アルペンジロー
横浜市中区弥生町3-26
045-261-4307
月曜定休
[火~金] 11:00~15:00(L.O.14:30)
17:00~21:30(L.O21:00)
[土・日・祝]11:30~15:00(L.O.14:30)
17:00~21:30(L.O21:00)
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2017年6月25日日曜日
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