2018年10月9日火曜日

焼き鳥は気取らない方が好き

焼き鳥って、
拘ったら大変な物じゃないかな? 
 
って思うのは、
コストが高めの店で食べると、
どこまでも美味しい・・と思わされるワケで、
それはそれは素敵な焼き鳥が腹一杯になるまで登場して、
どれを食べても、素晴らしく美味しくて・・・
 
ここに、
食べ物の味って
食べる人の感情に凄く左右される
って事実にも、気付かされるのですよ。
 
自分にとって焼き鳥は、
昭和30年代の駅前の屋台の味がこびりついているもので、
それは唯一の生きている父親の記憶なのだから。
 
飲んだくれの父親は、
仕事が終わって帰ってくるとき、
決まって駅前の屋台に入って一杯飲むらしい。
 
焼き鳥を出す屋台だから、
痩せ細ったネギと固そうなもも肉のコンビ「ネギマ」を
小皿にチロッとタレを垂らしてもらって、それを付けながら食べるのだろう。
 
母親は、そんな父親の行動を読んでいるから、
私に迎えにいけ、と言うのだ。
 
多分2歳から3歳になるくらいの頃(3歳の時両親は離婚している)
暗い夜道を駅まで歩いて、3軒ほどある屋台の中に焼き鳥屋を見つけて入ると
父親は上機嫌で飲んだくれ・・・
 
そりゃ、3つにもならない息子が迎えに来たら
帰るしかないワケで、勘定を告げながらネギマを食べさせてくれて・・・ 
 
でも、ネギは辛いし、肉はもったいないから一切れしかくれなくて、
タレで焼いたネギマの味はどっちかと言えばネギ焼きのタレ味だったりする。
 
ネギが辛いよって顔をしたのだろう。
父親はタレをちょっと小皿にもらって舐めさせてくれたけど、
そのタレは醤油が勝った、ちょっと塩味がするタレだった。
 
以来、
焼き鳥はどうしても、タレで食べたい自分ができあがってしまったのだけど・・・
鶏肉自慢な焼き鳥屋は、基本、塩で食べさせようとするのだ。
 
わかってるって
確かにお宅の鶏肉の美味さは、
余計な味を足す様なタレなんて使っちゃダメだってね。
 
でもね
食べ物の味は
感情に左右される事の方が、大きいのですよ!
 
 

 
チェーン店的な焼き鳥屋に飛び込んで、
塩を勧めるのにタレで焼いてもらう。
 
 

 
さすがに塩でも食べるようにはなったけど、
安くて美味しい店で食べるタレ焼きは心が美味しいと叫んでしまうのですな。
 
 
今日はちょっと早めに事務所を出て、
滅多に行かない店に行っての焼き鳥三昧。
 
場末な感じが好きなのは、
父親の記憶がなせるワザなのだろうか?
 
疲れ切ったサラリーマンや、
妙齢なカップルが夕食代わりに食べてる様を見ながら
肉を楽しむなら塩だって認めるけどやっぱタレだわ・・と
つぶやきつつ食べる焼き鳥の味わい。
 
「アンタが死んじまう前に、一回くらい飲んでみたかったな。
 こんな大衆酒場で良いからさ」

・・・と父親に向けて呟いてみる。
 
もう、父親より
年上になってるらしい・・・けどね。
知らんけど(^_^;
 
ごちそうさまでした。

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