2018年10月21日日曜日

栗と松茸の天麩羅

「天麩羅、あまりやらないのに珍しいですね?」
 
「栗の天麩羅は秋には出しているんです。
 今回は虫食い0で、全部使えたのが嬉しくて・・」
 
「栗剥くと包丁傷みませんか?」
 
「そういう物と思ってますので。
 でも、商売でやる人の中で、ホチキスの後ろについてる
 ホチキス抜きを使う人がいるんですよ」
 
「へ〜。
 でも、なんか傷つきそうですよね」
 
「それが全然傷つかないんですよ。
 コツ教えてくれないんですけどね」
 
「剥いた栗を天麩羅にしちゃうって、なんか贅沢ですね」
 
「天麩羅になるまでに3日かかってます」
 
 
旬のものを食べると身体に良いとよく言われるけど、
栗の天麩羅を食べたことはなかった。
 
 
「松茸と栗の天麩羅」
 


シャキシャキとした食感と香りが楽しい松茸。
そして、ほっこりとした食感の奥から存在をアピールする栗。
 
秋だなぁ・・・
 
福岡の寿限無(寒北斗酒造)を1合頂いて、
もうこの皿だけで終わって良い気分になりつつ、
ゆるゆると過ごす。
 
確かに今年は松茸が豊作なんだろう。
食べない年もあるのに、今年は二回目だったりする。
 
 
「松茸ご飯より椎茸ご飯の方が好きなんですよ」
 
「椎茸も良いのがありますよ」
 
「?」
 
「原木椎茸がちょっと入ってます」 
 
 
この店、恐いわ(^_^;
 
すいません、お蕎麦を・・・・
 
 

  
並蕎麦、という名で出てくるこの十割蕎麦。
 
細さと腰の強さは、二八とは全然違うもので、
蕎麦の事を知れば知るほど、その希少さがわかってくる。
 
でも、甘い出汁の存在が表に出ないような汁にどっぷり浸けて食べる
腰砕けの蕎麦も好きなのは、蕎麦料理が間口の広いもので、
蕎麦その物の味が繊細過ぎる事にあるのだろう。
 
昼酒を楽しむために行く店の蕎麦は、
街の蕎麦屋にありがちな、甘い汁に入れて食べるのに適している。
 
だけど、蕎麦屋としてのプライドはしっかりあって
もり蕎麦を頼むと他の蕎麦とは違う茹で方が絶妙な一枚が出てくるのだ。
 
ふと気付いて、藪でやるように手繰った蕎麦の下、五分の一辺りまでを汁につけ
ズルズル・・と口の中で汁と蕎麦が一体になるように啜ると・・・
 
美味いんだわ、それが(^_^)
 
上質な蕎麦を食べて、香りや甘さの実体がわかってから
普通に真面目に頑張ってる蕎麦屋の蕎麦を味わうと
あらためてその技に気がつく、という事実。
 
例えば、ワインは勿論のこと、モルトやブランデーなど
熟成で味が変わっていく酒の美味さを知るには、
やっぱり抜群に美味いものを味わって、
その美味さを認識する事が早道なのは経験的にわかっている。
 
今、このコストならこの味わい、という物差しを作り上げれば、
ワインは産地と葡萄の品種やセパージュで想像ができる。
で、それってきっと、飲食全般に当てはまるんだろうな・・と。
 
 
「鍋島がありますけど、飲みませんか?」
 
え?
あの鍋島??
 
マジ恐いわ、この店(爆)
 
ごちそうさまでした。
☆☆

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