孤独のグルメという漫画をドラマ化したものが
結構な人気と聞いた。
自分としては、飛行機の中で時間を持て余す時に
孤独のグルメと深夜食堂を見てたりするけど、
食をテーマにドラマを作るのは結構冒険なんじゃないか、と思ったりする。
食って結局個人の主観で判断される物だし、
食べてる時は隠せない個が見えてくるものだしね。
だからなのか、深夜食堂は食よりも人間ドラマにシフトしていて
それはそれなりに良い仕上がりなんだけど、
孤独のグルメは一人で外食する事の贅沢さを今ひとつ表現仕切れていないように思う。
一人で食べるのって限りなく贅沢な行為だと思うし、
それを楽しむためには孤食の流儀や作法を編み出して、
かつ心を安らかにする回路も作らないといけない。
そうじゃないと楽しめなくて、
寂しさだけを味わう事になりかねないのだ。
孤独のグルメも似たような事をタイトルバックで語っているけど、
主演の松重さんがクール過ぎて、食を楽しんでいないように見えちゃうのが残念。
勿論、ナレーションで心の内を上手く表現してて良い仕上がりなんだけど、
一人でこれだけ食べる人なら、もっとふくよかであって欲しいし
そもそも金持ってる感もどこかに醸して欲しいと思うのだ。
晋山のこの手のアテは、間違い無く美味しい。
そして用意される酒とまた、見事に合うのだから恐ろしい。
出汁のひき方が秀逸な上に、味付けにも手間を惜しまない仕事があるので
和な食事はどちらかと言えば避ける自分でも常連っぽくなってしまった。
「もう冬瓜なんですね。
でもちょっと表面が面白い。皮残してます?」
「冬瓜の皮って多重構造なんですよ。
一番内側の皮だけのこして剥いているんです」
「だからこの食感なんですね」
「そう言えば、シュンちゃんが小公園で松重さん見たって言ってましたよ??」
「あ、それ、南粤美食が孤独のグルメ・シーズン8に出るんですよ。
たしか10月4日の深夜、実際は5日になるのか、で放送だと思いました」
「更に混んじゃいますよね」
「Twitterで常連客がチロッと孤独のグルメ登場と書いただけで、
さらに行列長くなったようですしね」
そう、気に入っている店がメディアに出ちゃうと、
客が殺到して店の空気が変わってしまう事は多い。
そもそも調理するのはお父さん一人で、
アテンドはちょっとだけ日本語がわかるお母さんと
たまにバイリンガルな娘さんがいるだけの店。
料理に手を抜かないスタイルは変えてないから、
料理が出来上がるのにそれなりに時間がかかり、
外で待ち疲れた客は店内でも待ち疲れることもあって
空気がちょっと尖る事もあるわけだ。
「ウチは宣伝系は全部避けてるんですよ。
二人でやれる作業には限度があるので行列できても困りますしね。」
「でも、一見さんも結構来るでしょ?」
「いらっしゃいますね。
でも最近は、予約が多いので
申し訳ないですけどお断りすることもあります」
横浜晋山も、大将と女将の二人体制。
20人入るのはちょっと難しいサイズの店なので、
南粤美食の様になったら対応できないことは想像に難くない。
私が一人で食べてもいいな・・と思う店の殆どは、
居心地が良くて料理が遅くても楽しめる環境と良い酒がある。
そして、居酒屋の様に酒に飲まれる客やマナーが無い客が
同席する確率が恐ろしく低い、という共通店もある。
最高の味があっても子供が走り回ってたり、
高額な料金設定の店でも女を侍らすような客が偉そうにしてり、
スタッフが楽しそうでなかったりしたら、
料理も美味しく感じられなくなってしまうもの。
だからなのか最近は、
客単価の設定がわかれば味のクオリティがわかるので、
その設定に対してどんな環境があるのかを重視するようになった。
今日のシメは辛味大根蕎麦。
辛味大根によって蕎麦の甘みがわかりやすくなるので、
せいろを食べるよりこれを手繰る事の方が多くなっている。
秋だから鴨せいろも考えたんだけど、
やっぱり蕎麦その物を楽しみたくなっちゃうから仕方ない。
それにしても孤独のグルメ、
どんな影響を及ぼすのだろうね・・・
ごちそうさまでした。
☆☆
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2019年9月26日木曜日
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