「金沢には独特のおでんがあるの、知ってますか?」
「知らないですね。
おでんって地域性が強く出るものだから、
金沢だとやっぱり海の幸が豊富・・だとか?」
「実は日本一おでんが食べられている、とも言われていて、
海の幸を加工したものだと『ふかし』や『かにめん』、『赤巻き』
と、こっちではおでん種として知られていない物があるんです。」
「おでん、食べてないなぁ・・・」
「おでんで地域興しって流れもあって、小田原も特産の練物や小田原産の
食材を使う『小田原おでん』があるじゃないですか?」
「丸うさんとに取材に行ったことありますね」
「静岡だと黒はんぺんが有名ですし、関西なら牛すじ・・と
色々あるんです。」
「静岡出身者と結構縁が深くて、黒はんぺんは食べに行きましたよ」
「そもそも、関東と関西じゃ出汁が全然違いますし、呼び名も・・・」
「関東炊き!」
「そうなんです。」
「で、わざわざ金沢のおでんって話になったのは?」
「これです」
「あ〜、そうか! もう香箱が出るんだね」
「昨日から始めました」
「11月後半になると、あるかなぁ・・と思うけど、
勧められないと、無いのかなぁ・・と遠慮しちゃう・・」
「言ってください(笑)
ちゃんと隠して用意してありますから」
「嬉しいですね。
で、これがおでんに入ってるの?」
「カニ面って言うんですけど、ほぼこの形で
カニの身全部詰めて蒸してから、おでんとして煮込みます」
「美味そうだ・・・」
行きつけの店で、
11月後半に、あったら食べる香箱。
蟹にはあまり興味が無い自分にも、
コイツだけは食べたいって思わせる魅力がある。
でも、このスタイルって、
寿司屋だとか和食系の店で板さんがそれなりの技術を持ってないと
まず、お目にかかれない。
蟹に興味が湧かなかった理由の一つに、剥くのが面倒ってのがあって、
同時に美味しい蟹を食べるチャンスも少なくて、
美味しい物という認識がそもそも無かったのかも知れない。
そんな自分に、ある時勧められたこの香箱は、
蟹の美味さと食べやすさで思いっきりヒットだった。
「これを蒸しちゃうって、ちょっと勿体ないようにも思うけど、
おでんに入ってたら、ちょっと嬉しいかも」
「贅沢な種ですよね」
「おでんって、コンビニにもあるくらいポピュラーな料理だけど、
竹輪麩って関西ではあまり食べられない物なの?
関西出身者が『馴染みがあまり無いからどうでも良い種』と言ってて、
きいてみたら、関西じゃ食べないって言われてね。」
「竹輪麩って、関東圏でも狭くて、東京・神奈川・埼玉や千葉の東京側くらいしか
実は流通してなかったんですよ」
「え?そうなの??」
「時蕎麦にも出てくる竹輪麩ですけど、乱暴に言えば饂飩の太いのですし、
まさに竹輪の代用品ですから、竹輪が流通の関係で高価だった江戸時代には
人気があったのかも知れませんね。」
「あの、モチモチした食感が好きなんだけど、
考えてみれば、自宅で食べるおでんには入ってなくて、
学校給食で出てくる竹輪麩の美味さに驚いた記憶があるんだよね」
「横浜のサンマーメンみたいな物かも知れないですね」
「ここでしか食べられない物だけど、当たり前にあると思い込んでいる?」
サンマーメンと聞いて、
秋刀魚が入ってるって思い込んだ人がいる・・という笑い話があるけど、
小麦粉で作る竹輪麩がでは無いという現実を見ると、名前の由来は難しい。
卓袱料理(長崎)が転じて、
しっぽくうどん(香川)が生まれたり、しっぽく蕎麦(東京)が存在するように、
元の姿と似ても似つかぬ料理になるのも、地域の食文化が影響するからだろう。
「そう言えばさっき言ってた『赤巻き』って何?」
「練り物で『なると』ってあるじゃないですか?
あの感じで、外側が赤くなってる物なんですけど『なると』と言うより
伊達巻きに近い大きさなんですよ。」
「ふかしは?」
「蒲鉾をふかした(蒸した)ものです。
形は円盤形になってる事が多いですね。」
「そんな話を聞いてると、行きたくなるね。
新幹線繋がったし、ふらっと行ってみようかな」
ま、そんな会話を板さんと、随分前にしたなぁ・・・と
思い出すのは、この時期。
香箱が食べられる店ってあまり無いと感じるのは、
仕込みに手間がかかるので用意できる数に限りがあるから?・・・だろう。
当然、メニューや店内のオススメボードなんかに書いてない事は多く、
時期を知ってて「ある?」って尋ねない限り、出してくれない場合が殆ど。
しかも、香箱蟹の禁漁開けの頃は値が張るから、
11月前半だと、店も客に出せる価格にならないので入れてない事も。
で、値がこなれてきた11月後半から12月頭あたりに、
「ある?」と尋ねるワケだ。
「かに面」か・・・
そんな種が入ったおでん、食べてみたいなぁ・・・・・
ごちそうさまでした。
☆
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2017年11月20日月曜日
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