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2016年3月20日日曜日
鰻重とぬた
彼岸の法要があった寺から帰る道に、
鰻屋があった。
寺のそばにはこういった飲食店が、
それも歴史がありそうな店が多い。
折しも丁度開店したタイミングだったようで、
こっちも釣られて並んでいた人達と共に店内へ(^_^;
と、見れば既に1階のテーブル席は満員で、
2階の座敷にある多くの座卓もみるみるうちに埋まっていく。
なるほど・・
こりゃ、人気店なんだね。
「すいません、まずはお酒と何かつまみになるものを。
あと鰻重もお願いします。」
「はい。
つまみですと、刺身とぬたがありますけど・・・」
「ぬた、良いですね!
お願いします。」
ちゃんとした鰻屋だから、
しかもどっと客が入った開店時だから、
当分鰻重は出てこない。
だからまずは飲む・・と。
そしてアテはやっぱりチョコッとあれば良いわけで、
「ぬた」という提案はちょっと面白いと思ったのだ。
「ぬた」と聞いてすぐイメージできる人は、
どれくらいいるのだろう。
要するに酢味噌和えの料理で、
刺身やおひたしになる食材が使われる事が多い。
子どもの頃食べたぬたは、
長葱とマグロの赤身しか入ってない物だったけど、
酢の効き方が強くてあまり好きではなかった。
考えてみれば、ちゃんとした和食の店で出る酢味噌和えの小鉢くらいしか
「ぬた」らしき物を食べていなくて、ろくなイメージが思い浮かばない。
鰻屋のアテとして出るならどんな物だろうと興味が涌いて、
間髪入れずにオーダーしちゃったんだが、
出てきた物はかなり豪華な物だった。
菜の花、海老、まぐろ、筍、エシャロット、ホタルイカ、
タコ、長葱、ワカメ・・と季節の物もふんだんに入れた贅沢な一皿。
酸っぱ過ぎず、甘すぎずの味噌風味が楽しくて、
「ぬた」と一言で済ましてはいけないような料理になっている。
で、1合で鰻が出るまで粘る計画を変更し、
2合目をオーダーしたのは言うまでもない(爆)
と、1階の調理場から、
蒲焼きの匂いが伝わってきた。
あぁ・・
この、タレが炭に落ちて焦げる匂いって、
何故もこんなに魅力的なんだろう(^_^;
そして、2階の客にも順番に重箱が届く頃には、
「ぬた」も2合目の酒もなくなりつつあった。
鰻重(上)
鰻重を食べる時は、
基本的に鰻が大きいレベルであろう物をオーダーする。
店によっては、量が増えるだけのところもあるけど、
個体が大きい物を使う傾向が多いので、味わい的にそっちが好き、
というのが主たる理由。
で・・・
わりと普通だね、これ。
あ・・・
え・・?
ご飯の中にもう1枚蒲焼きが入ってる(*_*)
甘すぎず辛すぎずのバランス良いタレと、
柔らかいけど箸で持っても崩れない程度の弾力が残る蒲焼きが、
何とも素敵なハーモニーを奏でる感じの鰻重。
関西の地焼きのような脂っこさや歯応えは無いけど、
全体的に優しい味わいが魅力的で、量もしっかりある楽しさがあった。
鰻その物の魅力と言うよりも、
鰻重という料理としての出来上がりが素晴らしい感じ。
こりゃ、
今日はここで鰻重を食べる日、だったって事だね。
たまたま店に入れた運が引き寄せた出会いは、
バランスの良さが心地よさに繋がる事を示唆してて、
これからの仕事においても大事にしなくちゃいけない事を
何となく暗示しているように、感じられた。
連休は、明日で終わり。
脚は横になってても痛む感じだけど、
毎年この時期に、こんな痛みを感じる時期が来るので、
一過性の物だと自分に言い聞かせつつ、明日は身体を休める事にする。
4月からの職場の周りには、
どんな食の文化があるんだろうね。
ごちそうさまでした。
おやすみなさい。
61点(バランスの良さと心地よさが秀逸)
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