2019年7月16日火曜日

横浜晋山で鱧の天麩羅と鴨せいろ

7月に食べたいと思う食材は幾つかあるけど、
白エビや新子、ホタテや太刀魚とかの魚介類で言うと
一番はやっぱり鱧なのだ。
 
寿司屋ならあったら新子だけど、
これはもう、寿司屋の心意気を食べるようなもの。
 
凄く小さい物だと明らかに食感や味わいが違って楽しいけど
3枚づけくらいになってくると、小鰭にかなり近いので、
季節物を食べたという満足感の方が大きかったりする。
 
そして和食なら、やっぱり鱧。
最近の和食店ではメインに牛ステーキを持ってきちゃう店も少なくなく、
食材の馴染みも薄いから京料理を出す店じゃないと、
美味しい鱧は食べられないと思っていた。
 
まぁ、関東じゃ敢えて鱧を食べなくても
美味しい魚がたくさんいるので、鱧を食べる文化は育たなかったんだろうね。
 
 
「今日の天麩羅って鱧なの?」
 
「ちょっと良いのが入ったので。
 食べます?」
 
「いただきます。
 だけど珍しいよね」
 
「骨切りが大変ですから、
 扱う店は少ないですよね」
 
 
蕎麦屋のアテに鱧の天麩羅出す店なんて
そう多く無いと思うけど?
 
と心の中で呟きつつ、万願寺と鱧の天麩羅をオーダーした。
 
横浜晋山では、
どこでそんな修行したの?って思わせる
専門店しか出さない料理がひょろっと出てくるので、
メニューをちゃんと見ないと後悔する事になる。
 
 

 
万願寺とうがらしとはじかみ、茗荷が鱧天麩羅の前に鎮座するけど
本来は手前から食べるべきと知ってても、横から鱧に手を出した。
 
あ〜〜
これってマジ、京料理専門店に負けない美味さ・・・。
 
ネタによっては、返しで食べさせてくれたりするけど
今日は塩で食べろ・・という出し方なので従ったら、
絶妙なバランスになってて二度驚いた。
 
 
「で・・・
 蕎麦なんですけど、鴨せいろを」
 
「え〜
 やっぱり鴨せいろですか?」
 
 
女将さんが、ケラケラ笑いながら反応する。
 
 
「え?何故?」
 
「今日、何故かお客様が『鴨せいろ』を頼まれるんですよ。
 と言うかほぼ全員!」
 
「へ〜
 ちょっと肌寒くもあるからかなぁ」
 
「そういう日ってあるんですよ。
 それにしてもここまで鴨せいろが揃う日は、滅多にありません」
 
「う〜ん
 じゃぁ花巻か鴨せいろで悩んでたけど、初志貫徹で鴨に乗りますわ」
  
 

 
まぁ、ね。
この脂を楽しみたいって思わされる日って
そうそう無いから、今日はそういう日なんでしょうね。
 
 

 
今はメニューにもある更科バージョンは
常連で食べたいと無理矢理オーダーする人が多かった、と聞いているけど、
やっぱり鴨の脂を受けて食べるなら十割の並蕎麦が自分としては好きだ。
 
 
「そう言えば、かなりワガママ言う常連さんいるようですけど、
 さりげなく対応してますよね?」
 
「できる事なら、できるだけ応えたいと思っていますので」
 
「変わり蕎麦は前はメニューに無かったですよね?」
 
「作るならしっかりとした物を、と思っていて
 結構なコストになる食材もあるので、時価という形でやってみたんですけど
 結構頼まれるお客様、いらっしゃいますね」
 
「韃靼蕎麦もいいなぁ・・と思ってて、
 でも花巻か鴨か・・で悩んで・・・で、これ」
 
「そう言えばこの前、カレー南蛮を食べたいという方がいらして」
 
「え?まさか??
 カレーって匂うでしょ」
 
「カレーは香りが強いですから、蕎麦は負けちゃいますね。
 だから、普通の蕎麦を楽しく食べる手立てとして良いですけどね」
 
「で?」
 
 
大将はその問いに答えずに、笑みを浮かべた。
 
え?
あったら食べたいかって??
 
カレーライスだったら食べてみたいけど、
晋山の蕎麦で食べる気は無いですね(爆)
 
ごちそうさまでした。
☆☆

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