2019年10月20日日曜日

久々にイルネッソ


 
元町のメインストリート沿いには、あまり飲食店が無い。
 
一本裏の通り、特に山手側にはレストランが多くあるけど、
凄く良いと言えそうな店は、どんどんそこから離れていく傾向にある。
 
そんな中で元町に店舗を持つイタリアンで私が行きたいのは
「イル ネッソ」と「リオス ボングスタイオ」の2軒。
 
どちらも予約必須な店ではあるけど、出てくる料理は真逆なイメージさえある。
イル ネッソが繊細ならリオス ボングスタイオはガッツリな肉食系。
安いとは言えないけど高いとも言えない、どっちかと言えば
コストパフォーマンスが良いレストランだと思っている。

イル ネッソは店を二俣川から元町に移しオープンしたが、
当初は安価だけど良質な食材を使ってコースを作り上げるスタイルで
頑張りすぎていた感があった。
 
その頑張りがあって知名度も上がり、
コストパフォーマンスの良さよりも料理のセンスの良さに惚れ込んだ客が増え、
スタート時刻を決め、コストも一般的にする形で営業をするスタイルに変わった。
 
無理して安価にするよりももっと良い食材で
本来の能力を発揮して欲しいと思う客が多かったのだと思う。
 
その変身は受け入れられたように感じているが、
自分として料理のスタート時刻が限定されたため、
今の職場に移ってからは行くのが難しくなっていた。
 
食べられないと思うと、食べたくなる。
だけど時間が取れない。
 
そんな悔しい思いが募って大きくなりすぎたので、
久々に予約してのディナーを楽しむ事にした。
  
 
「ご無沙汰しています」
 
 
と挨拶しつつも、今日は予約時にフルコースをオーダーしている。
 
繊細で食感のハーモニーが楽しい料理、
材料にも贅沢しただろうイルネッソの料理は、どう変わったのだろう?
 
 

 
スープをスターターにして、前菜が続く。
 
イル ネッソの個性とも言うべき食感のハーモニーは
穏やかな味付けにアクセントを加えて、実に楽しい滑り出しを演出する。
 
 

 
生パスタはピチという手延べの饂飩のような物が出る。
ここのパスタはかなり楽しくて、週末のランチはかなり人気と聞く。
 
ここまでは材料が良くなったなりの楽しさで
想像どおりの美味しさを味わえていたのだが、メインに入って驚いた。
 
 

甘鯛
 
鱗をパリパリに焼き上げ、蛤やムール貝などでとったスープを合わせたもの。

黒っぽい皿が立体を強調するような盛り付けに力を加え、
美味しさを色やコントラストでも伝えてくるように感じる一皿だった。
 
 

ラム
 
グラニテを口直しに挟んでから出たコレは、
この焼き方の見事さにビジュアル的にもやられるのだが、
味わいはさらに凄かった。
 
ラムの美味しさだけを美味く肉の中に閉じ込めたような
肉の旨味と脂の魅力をバランスさせた見事なもの。
 
それでいて、嫌なモノが何も引っかからない
穏やかな味わいに思わず笑みがこぼれた。
 
 
「食後の飲み物は如何しますか?」
 
「エスプレッソを。それとグラッパがあったらそれも」
 
 
相変わらずのエスプレッソ&グラッパなシメなんだけど、
出て来たグラッパが樽熟成の素晴らしいもの。
 
ある程度の客単価を超えて人気のある店は、
ドリンクにも造詣が深く、余所では味わえない組合せを提案したり、
よくこんなのを見つけてきたねって思わせる物をストックしてたりする。
 
イル ネッソでもこんなグラッパが出てくるのに驚いたけど、
それは正常進化した店として当たり前の事なのかも知れないね。
 
ごちそうさまでした。

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