2019年2月17日日曜日

唐辛子の変わり蕎麦

「取材依頼、来ませんでした?」
 
「来ました。断りましたけど。」
 
「やっぱり」
 
 
気になってたのですよ、横浜晋山。
 
中華街からちょっと外れた場所の「おさ亭」が出ていたから、
今まで出てこなかった店も入れようとする演習側の意図も見えていて
「横浜晋山」にも声はかかっていると思っていたのだ。
 
 
「行列とかできちゃうと対応できないですしね。」
 
「確かに。」
 
「でも今日は、春節で一見のお客様が多くて、
 あたふたしちゃってましたけど」
 
「それがなんか、台風一過な空気になってるんですね」
 
 
晋山は、和食店としての店構えがあるから
その時点でコストを気にする人は入らないと思うんだけど、
アド街ック天国のおかげで、人気店が長蛇の列になってて
流れて入った人が多かったのかも知れない。
 
 
「ところで気になってるのがあるんだけど、
 オーダーして良いですか?」
 
「はい」
 
「変わり蕎麦の唐辛子ってあるじゃないですか。
 蕎麦に唐辛子を打ち込むって・・・」
 
「美味しいと思います」
 
 
ごちゃごちゃ言わずにオーダーすれば良いんだけど、
何故唐辛子を打ち込んだか、とかを確かめたくなっちゃうわけで。
 
 

 
「ちょっと食べてみてください」
 
 
たまにこうやって、茹でる前の蕎麦を食べさせてくれる事があるんだけど、
蕎麦の香りの向こうに唐辛子の香りがあって、後からじわじわと辛くなってくる感じが
食欲を増進しそうな気配に満ちている事に気がついた。
 
 

 
想像以上に、赤い!
 
でも、更科ならではの透明感の中に
唐辛子の粒が見えるこの蕎麦は、ちょっとその概念から外れている
とも感じていた。
 
 

 
え?
 
蕎麦感が強い??
 
唐辛子はそんなにその物の味は強く無いから
辛さとのバランスでかえって蕎麦らしさが立つのかも知れないね。
 
こりゃ・・・ずるいよ(^_^;
 
マジ、楽しい!
 
で、普段は蕎麦湯を楽しむ時しか使わない山葵を
敢えて蕎麦の上に置いて一緒に食べてみると、
これがまた新しい味わいで、バリエーションとしても楽しい事がわかった。
 
上質な蕎麦を、蕎麦の美味さだけど楽しむなら
汁も少しだけで味わいたいし、薬味としては辛味大根だけで良い
と思っている。
 
でも同時に、たっぷり汁に浸して食べる事でバランスされるタイプの蕎麦は
それこそ山葵やネギも一緒に食べてこその味わいだったりする。
 
店側がどうやって食べさせたいか、という事と
客側がどう食べたいか、というのがマッチしないと
ある意味不幸。
 
よく、そんなにどっぷり汁を浸けるな、とか、
汁に山葵溶くな・・とか言う人がいるけど、
店が食べさせたいバランスを崩さない限り
楽しく食べるのが一番だと思う。
 
蕎麦は、
味わいを理解するのには幅広い経験が無いと、
繊細なだけに美味しさの元を見つけ難いって事に加えて、
和食としてのベースが強い事から、
千差万別の食べ方も受け入れる料理でもある、
という事なんだろうね。
 
私としては、美味い酒をちょっと頂き
こんな楽しい蕎麦が頂けるならそれで良いのですけどね(^_^)
 
ごちそうさまでした。
☆☆

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