日本画かの小倉遊亀さんに会った時好物はステーキと聞いて驚いたのだが、
2000年にの7月に亡くなれた時に105歳だったので、
肉好きな老人の話を聞くと彼女を思い出してしまう。
自分はどうかと言えば、そりゃぁ肉好きではあるけど、
最近思うのは、肉好きな老人=健康な老人なんじゃないかって事。
と言うのも、脂っこい肉を食べても楽しいと思えなくなってきたし、
大きな固い肉の塊を食べる気分になれなくなってきたからだ。
なので食べられるうちに肉を喰らっていこうと思うのだけど、
一番気に入っていたA3ステーキを食わせる店が休業となり、
気軽に食べられる店も少なくなってしまって、最近はあまり食えてないのだ。
実は今日も、肉を食いたい気持ちが盛り上がりながら、
あてにしていた店が満席で入れずで泣きそうな気分になっていて、
この喪失感をどうにかしないと・・と色々電話しては空振りしていたワケだ。
不思議なもので、空振りする日はどこへ行ってもダメな事が多く、
野毛で安いが取り柄なステーキを食うか、と考えもしたが、
あまりに無駄な時間が流れすぎ・・と思って、ダメ元で電話したのが横浜晋山だった。
「当日に予約って難しいのわかってましたけど、席があってラッキーです」
「ウチも珍しく今日はお客様が少なくて、お電話いただけて嬉しかったです」
GWも終わって通常営業に入ったから常連で満席だろうって思ったのに、
何故か今日は空いていた。
「やっぱり、月曜って落ちますかね。
前の職場も月曜はお客さんの入りが少なかったんですよ。」
「どうなんでしょう。
ウチへいらっしゃる皆さまはあまり曜日って関係ないのですけど、
今年は去年とは違う人の動きがのあるのかもしれないですね」
白エビがあった。
おろしで和えて食べさせるパターンって、酒を飲めと言わんばかり。
鍋島があったのでユルユルと飲みながら、今日のフラれまくりな状況を語りつつ、
肉が食べたかったんだけどね・・と呟いた。
「今日は、牛のたたきを用意してますけど。」
「え?マジ?」
メニューをよく見ろよって自分にツッコミつつ、
肉食べたい気分をまさか晋山で満たせるとは・・と驚きつつ、
即座にその提案に乗っかった。
美味いのですよ〜
ちゃんと日本酒に合うようになっているあたりが晋山だよね。
こいつがなければ、鴨の白煮を食べるとこだったけど、
牛肉の魅力には敵わないっす。
「もう、落ち着かれました?」
「おかげさまで。
4月はひたすら寝てる感じでしたけど、色々としなくちゃいけない事もあって
今月にはいってやっとペースができてきた感じです。
ただ悲しい事に、朝は以前と同じ時間に目が覚めちゃって、二度寝ってパターンです。」
「予定無くても早く起きちゃうのは嫌ですね。」
長年染み付いた起床時刻は、身体にしっかりと刻まれてるらしい。
え?
年寄りは朝早く目が覚めるものだって??
そうなのかなぁ・・・
そうなのかもなぁ・・・
シメはやっぱり更科。
晋山はこの白さを出すために、オーダーしてから打つスタイルを続けている。
毎週の様に来るなら辛み大根蕎麦って手もあるけど、
なにせ完全リタイヤ生活。
そうそう外食三昧ってワケにもいかないので、
行く時は贅沢してもたまに・・なパターンを身につけないとヤバいっす。
ただ、還暦超えた後に毎月もらってた給料の手取り額が、
来月に振り込まれる年金額より少ないってのには驚いたね。
どんだけ会社に尽くしてたんだろうとは思うけど、
好き勝手に仕事できた7年間はそれなりに充実してたので、良しとしますかね。
ごちそうさまでした。
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