2021年4月30日金曜日

水綾閣

各方面から美味しいとの情報が出ている「水綾閣」。
この4月にオープンしたようで、まだまだ店のスタンスは見えて来ない。
 
良い店については周知されていないうちに行くのが良くて、
オープンしたばかりなら、オペレーションやスタッフの状況が見えやすく、
店の目指す方向を探りやすいメリットがある。
 
飲食店との出会いは「縁」とも言うべきものであり、
お互いが相手と縁を組みたいかを探るチャンスでもあるから、
そのタイミングは結構大事。
 
日々、多くの客が訪れる人気店に
今更ながらに訪れれば縁を結ぶだけの関係を築くのは難しい。
 
だからこそ店側がどんな客が来るかを探っているオープン当初に訪れるのは大事で、
店が最初に掴みたい常連の一員として認知されたなら、良い関係を構築するのは容易い。
 
 
 
 
以前、鰻を出す割烹だった店を改築し、
「下手な客は来るなよ」なオーラを放つ門構えを取ったこの店。
 
一見して、予約なしで入れる感じは無く
クオリティに相当自信がある意気込みを感じる。
 
「水綾閣」と書いて「すいりんかく」と読む。
 
総料理長は横尾博志氏。
ウェスティンホテル東京の「龍天門」でミシュラン1つ星を3年連続で獲得。
点心部門は同じく「龍天門」の点心師だった網野北斗氏が担当。
2人とも横浜生まれとの事で、食通からは注目される店だと言えるだろう。
 
初めて前を通った時、これは予約なしでの入店は無理だと判断し、
予約の上訪れたら案の定、予約なしで訪れて入店できないカップルが
フロントで断られているのを見せつけられた。
 
コロナの影響もあって飲食店での飲食が限られる今、
食事を楽しみたい客は「あわよくば」と突撃するのだろうけど、
それもこんな店では通用しないのだろう。
こんな時代だからこそ初めての店なら予約が必要で、
諸々の条件等も聞いておく方がお互いのためになるのだろうね。

割烹だった時と違って食堂は地下になっていたが、
その落ち着いた雰囲気はホテルの総料理長経験者が具現化したい
空間だったのだろうと邪推する。
 
オーダーしたのは「遐福-kafuku-」というランチコース(3300円)
まずは「焼き物入り前菜5種盛り合わせ」が登場する。
 
 
 
 
蒸し鶏、ピクルス、クラゲ、豚と煮豆、叉焼、オレンジのゼリー
という5種は、ヌーベルシノワの流儀にそって、個別にサーブされる。
 
ま、飲めってセットだね。
蒸し鶏は「隆蓮」の物に通じる美味さがあって、
この後の料理に期待ができそうと楽しくなった。
 
続いて出るのは「蟹肉入りフカヒレスープ」だ。
 
 
 
 
フカヒレって何故そこまで高級料理になるのかな・・と思う。
だってそれ自体に味は無いし、食感だって好き嫌いが出そうなものだ。
 
だが、その生産量が少ない事から希少性が出て高価となり、
それを美味しく食べる方法として上質なスープに仕立てる事を考え、
スープの美味さの上に成り立つ料理になったのだろう。
 
だから、こうやって蟹肉を入れるってのも
スープの美味さを出す上では大事だと思う。
 
勿論、かなり上質なスープだったけど、
フカヒレなんか使わずに美味い羹(ガン)=とろみスープを出せば?
って思ってしまう。
 
秋だったら蛇羹(蛇スープ)なんか良いよねぇ・・・
なんて思っちゃうんだけどね。
 
とは言えスープを佛跳牆にしたらどんだけ価格上昇するかわからんから、
例湯(ライトン=いつものスープ)と設定しておいて、
好きな具材を使って美味しいスープを出して欲しいと思いますな。
 
 
 
 
点心はオススメの2種。
蝦餃(海老蒸し餃子)と焼売って安易だけど、定番なので・・・
 
あ、これは美味いぞ!?
 
あ〜〜
ここまで美味いなら、飲茶コースって楽しいかも。
次回は飲茶コースを食べてみるのも良いかも知れない。
 
 
 
 
「海老のチリソースとマヨネーズソース」ってメニューにあって、
どうやって出るのかと思ったら、まんまだった(^_^;
 
上質だけど、想像を超える味では無い。
でもそれが安心感を与えてくれるってのは、地味に凄いって事なのかな。
 
 
 
 
「黒酢酢豚」ってあったけど、
黒酢の個性を上手く押さえていてかなり楽しい。
 
何も気になる事がないバランスが取れた味わいで、
それこそが高級店にしか無い美味さだと思う。
 
これ、夜のコースだとヤバい物が出てきそうな予感がするね。
 
 
 
 
「胡桃の担々麺」とあったこの麺は、
スープがかなりドロッとしたタイプで、胡桃好きな人にはたまらないだろう。
 
担々麺によく使われる擂った胡麻はあまり好きじゃ無い自分、
胡桃はそれを濃厚にした感があって、普通に雲呑麺だったら嬉しかったな・・
と思ったりした。
 
麺は細いけど香港の物のような固さは無く、
高級だな・・と感じさせる味わいがあった。
 
で・・・
後はデザートとなるのだけど、かなり満腹。
 
食えなくなったなぁ・・と思いつつも、
全般的に脂が多いとかコッテリ系な食材もあったから、
満足できる内容だったと思った。
 
 
 
 
あ〜〜
柔らかい系の杏仁豆腐だね。
上品過ぎる・・な感はあるけど、これまで料理を考えたらこうなるって感じ。
 
とにかく全般的にホテルの中華料理って味わいで、
現在の横浜ロイヤルパークホテルの「皇苑」より好きな味だ。
 
う〜〜む。
この味でこの価格ならコロナも乗り切れると思うけど、
有閑マダムが占領しそうな気配が濃厚でもある。
 
仕事柄、夜の営業時間に辿り着ける自信が無いので、
利用はランチタイムになるだろうけど、
それなりに忙しいので、次は何時来られるかわからないってのが悲しい。
 
顔なじみになりたい店なんだけどねぇ・・・
 
ま、いずれにしろ再訪します。
 
ごちそうさまでした。

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