2020年12月12日土曜日

A3

 
 
もう随分とA5と称される牛肉を食べていない。
 
高価ってのは勿論あるけど、
それより何より脂に身体が対応できなくなっているのだ。
 
勿論、少量なら平気だし、
美味しさも感じるので食べていて幸せなんだけど、
その後の苦しさは半端ない。
 
それとA5って肉その物の美味さとは視点が違う感じで、
自分が求めているのは肉その物の美味さだと気づいてしまって以来、
サーロインよりランプとかが気になるようになってしまった。
 
昭和な時代に食べたランプステーキはどうしたらここまで硬くなる?ってくらいの代物で、
しかも肉の旨味なんてこれっぽっちも感じられなかったのに、
令和な時代のそれは、実に美味しいステーキに仕上がっている。
 
それって肉の扱い方が上達したって事なのか?
それとも火の入れ方とかの技術にブレイクスルーがあったのだろうか・・・
 
なんて思うけど、美味しい肉を作り上げるノウハウもつみ重なり、
素材も調理も進化した上に、ステーキとして焼く時に適したサイズも
客に受け入れられるようになってきたのだろう。
 
サイズと言えば、自宅でちょっと焼いて食べようと思っても
大きいけど薄っぺらいパックが多すぎで、それらを焼くとろくな事にならない。

しっかりと厚みがある大きめな肉だと内部に入っていく火の加減がしやすくて、
素人でも美味しく焼けるんだけど、大きくて薄い肉は均一に焼く事すら難しいのだ。

で、専門店やオーダーカットを受け入れる店でしか出会えない厚い肉は、
そんな店を探す事から始めなくちゃ・・となるだけじゃなく、
総じてコストも高くなってしまうのですな。
 
と言う事で、中心温度を理想的に保ちながらしっかり焼くのは、
やっぱりプロに任せたい。
 
それも脂が少なめなA3サーロインだったらね・・・
 
  
「ご無沙汰してます。
 A3食べに来ました。」
 
「いらっしゃいませ。
 飲み物はどうします?」
 
「シュリンプカクテルも食べたいから、
 それに合うヤツを・・・」
 
  
オールドスタイルだけど、
ビフテキと呼ばれていた時代のステーキの前菜には
シュリンプカクテルが決まり、だった。
 
どうやらそのスタイルはアメリカ流。
そして進駐軍によってアメリカ文化が流れ込んだ横浜でも、
戦後はそのスタイルが基本となったのだろう。
 
シュリンプカクテルはシュリンプ(小海老)を使った前菜だけど、
ここのはプラウン(海老)と言うべきサイズとなるブラックタイガーが
ドッシリと登場する。
 
 
 
 
海老好きとしては外せない一品。
 
ここはビールでしょ?
って事で、すんなりとビールが出てきたけど、
敢えてクラフトビールを選ばないあたりが嬉しくなるポイントだ。
   
オリジナルのソースがちょっとピリ辛なので、
ビールとピッタリで合うのですな。
 
 
「焼き方、どうしましょう?」
 
「いつも通り、お任せで」
 
 
 
 
これですよ、コレ!
これが食べたかったのですよ〜〜〜
 
ウェルダンで焼いてもレアで焼いても美味いってのは
肉が良い証拠であり、調理技術も素晴らしい証拠。
 
自分じゃこうは焼けないんだよね。
(当たり前)
 
この店は、以前の様に激安では無くなったけど、
それでもコストパフォーマンスはかなり良く、
ここのステーキを食べたら、他の店で食べる勇気が無くなるのですね。
 
と言うのも、このクオリティを求めたら専門店では間違い無く1万円オーバーは覚悟だし、
しかもその肉の質や焼き方がこの店より勝ってない可能性も高いので、
別の店でこのレベルを求めるのは、マジ勇気が必要なのですな。
 
実際、ホテルの鉄板焼の店で食べて「何じゃこりゃ?」になった事もあったし、
同等以上だと感じたステーキの価格が倍以上だったって事もあった。
   
 
「また、皆でTボーン食べに行きたいですね。
 今度は六本木にあるエンペラー、行きませんか?」
 
「あ〜、あそこ気になってたんですよ。
 コロナが落ち着いたら、行きたいですね。」
 
「ウチはあまり影響受けない感じですが、
 飲食店は何かと制限があるので、ちょっと調べてみましょうね」
 
 
コロナは、風邪やインフルエンザと似たものでありながら、
罹患した時の危険性の高さが恐怖を生んで、
常連客や固定客がいない飲食店は大きな影響を受けてしまうのは仕方無い。
 
この店は連絡しておけば深夜帯でも対応してくれるのが嬉しいけど、
このままの状況は続けばどうなっていくかは想像したくない。
 
最近、ここに書くネタが激減しているのは、
選択肢が少なくなって、スーパーやコンビニで買う冷食やチルド食品にも
バリエーションが少なくなってしまったって事はあるのだ。
 
その上、こんな状況で食べた物の話を書くのもどうなんだろう・・・
と思ってしまう部分も大きいってのもある。
 
流石に、罹患したら死ぬって恐怖までは無いけど、
匂いがわからなくなったり、味がしなくなるような症状が出てしまったら、
どんなご馳走も命を繋ぐための補給になってしまうのだろうしね。
 
飽食の時代に起きた神の粛正ってワケでもないだろうけど、
色々考えさせられますわ。
 
ごちそうさまでした。

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