不思議な匂いと、ヨーグルトの使い方。
豆を使ったペーストなんかの食感。
それらが食べ慣れない事もあって、好きになる要素を見つけられなかったのだ。
ただ、ドネルケバブに出会ってから食べられるようになり、
気づけばラムやマトンの料理に魅力を感じられるようになったけど、
スパイスや塩の強さなんかで、今ひとつ好物になれないでいた。
だがトルコとギリシャの個性を持つ料理店「ゼイティン」に出会ってから、
トルコ料理の魅力にはまってしまう。
料理技術の質が違うだけでなく、味付けも良い。
そして、トルコ料理のクオリティがかなり高かったからだ。
そんな「ゼイティン」だがオープンしてから随分の間、
何故こんなに美味いのに客が少ない?・・と、感じるほどマイナーだった。
独りで行くからカウンターで食べるのが決まりになり、
誰もいないから座る位置も自ずと決まる、といった状況だったが、
そのおかげでシェフと色々と話ができる時間ができた。
包丁の種類によって味が変わる、という話もシェフから聞いていたし、
トルコに帰る時には、「キョフテ用の大きい包丁を買って日本に戻る」と
話してくれていた。
その大きな包丁を2本持って戻ってきて空港で騒ぎになった話は以前に書いたけど、
確かにその包丁になってからキョフテの味が良くなったと感じるのは、事実。
調理って奥が深いのですな。
で、今日はダメ元で、そんな「ゼイティン」のランチを狙ってみた。
既に予約無しでは席が確保できなくなって久しいこの店で、
予約を取らないランチタイムは、最初の入店タイミングを逃すと入店が難しい。
普段の休日だと開店30分前でも行列ができているので、
今日もどうかな・・と行ってみたんだけど、予想に反して行列が無かった。
スタッフに「珍しいね?」って投げかけたら、
台風の影響で夜の予約もキャンセルが出ているのだとか。
ま、ラッキー!って事で、無事入店。
オーダーするランチのメインは勿論「キョフテ」だね。
いつも思うのは、ごく普通なサラダが妙に美味いって事。
ドレッシングの味付けが絶妙なのか、美味しさを演出する何かが入ってるかはわからない。
ただバルサミコ酢は感じるので、それは美味しさの秘密の一つ、なのかも知れない。
ランチスープは、定番の豆スープ。
フムスもそうだけど、ここの豆料理は全般的に舌触りが良くて楽しい。
そして、今日食べたかった「キョフテ」が登場した。
うん、やっぱ美味いわ(^_^)
何故こんなに?って思うくらい、説明できない美味さがある。
ここのはラムと牛の合挽に思えるんだけど、
その割合とか混ぜる物や、スパイスのバランスが良いのだろう。
後は、グリルで焼く事で適度に脂が落ちて軽く燻蒸される、ってのもあるのかな。
添えられたピラウと言うかバターライスと言うべきかわからない付け合わせは、
これがまた美味しくてかつ腹持ちが良いから、一皿で結構なボリュームに感じられる。
(ランチタイムは増量されてるようにも思う)
60才を過ぎてから特にそうなってきたけど、
強い刺激や塩辛い物、濃すぎる味には美味しさが見いだせなくなった。
そして、美味しさの条件の一つに「優しい味わい」という物が加わっている。
以前はそこまで塩辛さや濃さに過敏じゃなかったけど、
今は「料理の香り」や「食材の香り」、「出汁の旨味」や「塩の質」に加えて
「塩加減」の良さが大事になってしまったらしい。
「ゼイティン」の場合、コストはやや上がってきているけど、
とにかく優しくて美味しい味わいが今の自分の好みにストライク。
だからこうやって、台風来るかも・・な日でも足を向けてしまうのだろう。
とは言え、ちょっと食べ過ぎな感じ。
(ビールも飲んじゃったしね)
ごちそうさまでした。
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