2023年6月20日火曜日

別れは突然に訪れるもの

元住吉へ行く予定があって、
それならついでに綱島に寄って「八十港」でランチをしようと考えていた。
 
リアル香港な味わいがあるのだから、東急を使うなら寄らない手はない。
だから、今日のランチは何か・・とSNSをチェックしたらなんと、
「6月25日15:30を持って営業終了」とあったのだ。
 
別れというものは何故か突然に訪れるもので、
昨日と今日のこの差はなんだ?って思った事は記憶の中で数知れず。
 
お気に入りの飲食店との別れもかなりあって、
コロナ禍でそれが急増したのは当然の帰着なのだが、
八十港に関しては何故?という思いの方が強かった。
 
とにかく、行ってあの雲呑麺をもう一度食べるしかない!
という気持ちを抱いたまま、綱島へ向かった。
 
 
 
 
なんか寂しい・・・
そうか、ノボリが無くなっているんだ。
 
今週末で終わりなら、今さらノボリも立てないか・・・
 
入店前に既にちょっと寂しさを感じながら入る。
ランチタイムを過ぎているから、店は閑散としていた。
 
 
 
 
先客は3名。
 
穏やかな空気が流れる午後は、
今週いっぱいで終了する気配すらない。
 
 
 
 
「水餃雲呑麺とイかとニラ入り玉子焼き、あと生ビールを」
 
「スイマセン、水餃子ナイデス」
 
「じゃぁ、雲呑麺で」
 
 
ランチメニューには水餃子があったので、ランチ組が食べ切ったようだ。
水餃子は試してみたかったけどしかたないね。
 
ここの料理は、麺類はかなり良いけど、
それ以外は物によって当たり外れがあるので、
多くを頼むのはやめておいた。
 
 
 
 
中はトロトロな感じの焼き上がり。
香りも良く、食欲が湧いてくる。
 
美味い・・・けど、ちょっと塩強いね。
ビール用としては良いね。
 
ただ、初めて来た時に感じた穏やかな味付けの店、というイメージでは無いね。
 
 
 
 
美味い!
これだよ、これ!!
 
やっぱこの雲呑麺は、マジにリアルな香港の雲呑麺。
 
これが食べられれば、後は何でもOKって思いつつ、
玉子焼きと雲呑麺の味わいが同じ店の物に思えない現実に、ちょっと考え込んだ。
 
スープを作る人と、オーダーに応じて調理する人が違う?
ひょっとしたら、メインの調理担当が居なくなってしまった??
 
 
 
 
「八十港」は、在日香港人達の集いの場になる事を望んで
2020年12月にオープンした。
 
オーナーは香港の広東料理店での調理経験が20年と長く、
ワーキングホリデーで2年間日本に滞在し日本文化に親しみ深い思い入れもあって、
香港より日本の自由な空気の中で、子供達に教育を受けさせたいと考えた、との事。
 
オーナーが来日したのが2019年、
2021年にビザを取得し在留資格を得てコロナ禍を乗りきって経営を続けてきたのに、
2023年の半ばで一端休業になるのは・・・
 
香港は、コロナ禍によって大幅に観光客を失った。
この6月には日本向けに無料航空券3万8000枚を配るとの報道もある。
 
だけど、コロナ禍前の香港で既に感じていたのは、観光産業の劣化だった。
 
特に飲食店の劣化は酷く、街中の粥麺専家の雲呑麺はダメダメで、
あの「麥文記麵家」の雲呑麺も横浜中華街の「南粤美食」が出す雲呑麺に負けていて
香港へ行く理由の一つが喪失したように感じていた。
 
だから「八十港」の雲呑麺は、救世主だった。
店名の由来となる80年代香港のイメージ&味の再現は、
あの頃の香港の空気を伝える力を持っているのだ。
 
この雲呑麺がもう食べられないのは悲しい。
だが、様々な理由があっての閉店だろうから、そこは諦めるしかない。
 
南粤美食に並ぶのは嫌だけど、雲呑麺が食べたくなったら行くしかないのかなぁ・・・
 
とにかく残念です。
ごちそうさまでした。

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