2023年11月1日水曜日

ミルク麺

台湾料理にミルク麺ってのがあるのを知ったのは、2010年だった。
 
中華街からちょっと外れた場所にあった台湾料理専門店で食べたそれは、
豚骨スープの様な色をしたピリ辛の物で、妙にクセになる美味さがあった。
 
 
 
 
だがその店「生福園」は、そう長くは続かなかった。
場所が悪くて客の入りが悪かったのか、大陸系と台湾系の軋轢に巻き込まれたか、
とにかく理由はわからないけど元住吉に移転してしまう。
 
以来、ミルク麺を出す台湾料理店を中華街で見る事はなかったのだが・・・
  
「関帝廟通りにある台湾料理店に『ミルク麺』がある」
という情報がネットにあって、あの味わいが蘇ったからたまらない。
 
食べたい・・・
あの円やかな中にあるピリ辛な味わい・・
思い出せば出すほど、食べたくなるじゃんねぇ。
 
そう言えば最近、台湾料理店が増えたよなぁ・・・
「886食堂」とか「台湾美食」とか「民生炒飯」も台湾系の新規参入組。
情報によると関帝廟通りの「台湾菜館」のメニューにあるらしい。
 
行くか・・・と思って向かった「台湾菜館」は、看板がちょっと情けない感じに見えた。
 
 
 
 
なんかさ、「小さい画像を無理やり伸ばして看板に貼った」な感じ、しませんか?
 
こういう所に金かけないって、大丈夫か?ってちょっと思うが、
店先のメニューを見ていたら店の人が笑顔で声をかけてくれる。
 
 
「いらっしゃいませ〜
 台湾料理、美味しいですよ〜」
 
「時間、まだ大丈夫?」
 
「ダイジョウブ!」
 
 
あ・・
ちょっと日本語怪しいじゃん?
ニューカマーかな??
 
 
「ミルク麺あるって聞いてきたんだけど?」
 
「アリマスヨ〜 オイシイネ!」
 
「じゃ、ビールとそれを」
 
「台湾ノ玉子焼き、食ベマセン?」
  「切り干し大根の入ってるヤツね」
 
「ソウ」
 
「じゃ、それも〜」
 
 
 
 
台湾料理の家庭料理と言うべき「菜脯蛋」(切り干し大根入り玉子焼き)は、
店の個性が出やすい一品。
 
フワッとした玉子とコリコリが楽しめる切り干し大根のハーモニーが好きで、
台湾料理店へ行くとよく頼む料理の一つだ。
 
ど〜れどれ・・・
 
あれ?
ちょっと玉子薄くないですか?
 
切り干し大根はどこにあるのですか・・・・
っと、あったけどちょっとコリコリ感が無くて寂しいっす。
 
玉子は焼きすぎな感じなので、外側サクッと中はフワッとな状態では無く、
均一な食感な薄い玉子焼きに近くて、これは好みのタイプじゃないですな。
 
あ〜〜〜
これってちょっと不安かも。
 
 
 
 
ミルク麺、来ました。
かなり白っぽいスープで、具も素っ気ない感じに見えますな。
 
え?
えぇ・・・・・っと、牛乳だね、これ。
 
確かにミルク麺ですわ。
牛乳の味がかなり前面に来ていて、
以前に食べた物とは似ても似つかぬ料理な事は、わかる。
そして、ピリ辛も無い感じ。
 
麺は普通だし穏やかで食べやすいという台湾料理らしい味付けだけど、
スープと牛乳の味のバランスがかなり牛乳寄りなので、
これは好き嫌いが出る味ですなぁ・・・・・・
 
やっぱり、元住吉まで行くべきなんだろうか。
(生福園は美という名に変わって、夜営業の店になっている)
 
まぁ、思い出とかは美化されるものだし、
そもそも違う店なので同じ物が出てくるワケも無いのですな。
 
でも生福園のミルク麺、牛乳らしさは微塵も無くて辛さと美味さのバランスが
秀逸だったから、がっつりとすり込まれちゃったんだよな〜
 
 
「オイシカッタ?」
 
「美味しいよ!」
 
 
店のスタッフには愛想良く、が基本なのでそう答えたけど、
私の好みとは違う方向性なので、また来たいと思う気持ちは持てないでいる。
 
でも、「新しい味」との出会いは、やっぱり面白い。
 
毎回ヒットじゃ無いからこそヒットした時の喜びが増すワケで、
外れであっても楽しく食べられる方法はあったりするから、
新規開拓はやめられないっす。
 
ごちそうさまでした。

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