記憶が定かでない年齢の頃、
武蔵新城に住んでいた事もあってか妙なフィットを感じる町ではあるが、
横浜の街並みとはだいぶ趣が違って来る度に探検したくなる欲求が増してくる。
いつもはブレーメン通りの方へ行くのだが、今回は反対のサイドへ向かってみた。
違う町?ってくらいの変化があって古い時代の気配を感じつつも、
何故か焼肉屋が複数あったりして興味がどんどん湧いてくる。
だが、空腹には勝てない。
今、とっても腹が減っている。
1人焼肉専用な店に行くか・・と考えたけど
この暑さじゃコッテリな食はちょっと無理。
そんな時はやっぱり蕎麦って思うけど、駅近くの商店街には蕎麦屋くらいあるよねぇ
・・・と、ちょっと歩いたらすぐ魅力的な店に出会えました。
蕎麦屋って、暖簾分けで増えたって事もあって
藪だとか砂場だとか更科と言った屋号を出すようで、
この店は「やぶ久」とあるから藪系で修行したのだろう。
とは言え、「藪」を「やぶ」と書いてるから、
系統に則ってはいるけど、マイペースって事なのかな?
ちなみに暖簾に価格はあるのか?って問われたら
その算定基準に悩むと思う。
実は経理費目のなかに「のれん」というものがあって
事業譲渡を行った場合やM&Aの場合に「無形固定資産」として扱われ、
その事業(M&Aの場合は社全体)における時価純資産額により計上される。
総務にいた頃、損保代理店業務を譲渡した事があって
その「のれん」という費目にぶち当たって覚えたんだけど、
「暖簾分け」ならぬ「暖簾」そのものを渡すって意味では納得がいったっけ。
まずはビールである。
本当は蕎麦屋ならではのツマミで飲みたいのだが、
この店のランチタイムメニューには、蕎麦や饂飩しか載っていなかった。
言えばきっと出してくれると思うけど、飲み物の記載も無いワケで
「ビールってありますか?」ってお願いしての生ビールだった。
ま、長っ尻はやめてくれって事なんだね。
ならば、ツマミも兼ねられる蕎麦にしようかね。
と言う事でこんなのをオーダー。
「天せいろ」
王道っす。
天麩羅は天つゆと塩と両方で楽しめる様になってるし、
蕎麦猪口は別途あるので、天麩羅の油が浮いた汁で蕎麦を食べたく無い人にも優しい。
蕎麦は見た通りの、オーソドックスなタイプ。
機械打ち?もしくは機械切り?な感じだけど、田舎蕎麦は手打ちらしい。
もちろん初見だから、ベーシックなヤツを食べたいよね。
天麩羅はエビ&野菜の盛り合わせで、ありがちなパターン。
衣は蕎麦屋らしく硬めなタイプで、汁蕎麦に合わせたら楽しそうだった。
ただ、脱水の加減は好みじゃなく素材毎に揚がり方に差があったが、
天つゆにドップリ浸けて食えばかなり楽しめる。
飲みながら、こんなセットを食べる時って、
まずは蕎麦だけ啜り、蕎麦猪口の底に少しだけ汁を入れて蕎麦のみを楽しんで、
それから天麩羅つまみつつ飲んで・・となっていく。
で、そんな順で食べていくと蕎麦が乾き気味になる。
そこで日本酒をかけ回しすと、蕎麦が生き返りつつ酒の甘さが加わって独特の味わいになるので
マジに日本酒が欲しかったんだけど、メニューに無い。
(言えばビールみたいに出してくれたかな)
蕎麦は星もあって適度な腰で、抜群とは言えないけど上質。
汁は「やぶ」と冠すわりには穏やかでちょい甘汁系。
たまたま運良くすんなりと入れたけど、
ネットでは「行列ができる店」として紹介されていた。
(店員が思いっ切り不機嫌だったのは、接客で疲れ切っていたからかも知れない)
蕎麦屋は、昼に堂々と酒が飲める店、としての立ち位置があったと思うけど、
この店で飲むなら夜限定、という意思を感じた。
酒とアテが満載なInstagramの情報に「夜限定」とはなかったけど、
だからと言って夜わざわざ来るほどの魅力は感じない。
という事で、次に訪れるならランチセット(おひるごはん or 小さなお楽しみ膳)を
頼んでみようかね。
ごちそうさまでした。
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