コロナ禍でも、遅番じゃなければギリギリ食べられる貴重な店のひとつ。
職場からバスに乗って本町4丁目で降りたら、開いててくれ〜と呟きつつ向かう。
そして、こんな明かりが見えるとホッとする。
横浜はカレー専門店が思いっ切り外国系で、
欧風カレーと言われるとも言われる王道なカレーを出す店は少ない。
勿論チェーンの専門店はベースがそれ系だし、
「スタミナカレー」があまりに有名な「バーグ」や
「横浜開港黒カレー」を出す「風我亭」のカレーもそう。
ただそんな王道カレー(ごく普通のカレーと言うべき?)を出す専門店となると
かなり少ないと感じている。
実際、横浜駅のジョイナスにある老舗「カレーハウス リオ」くらいしか思いつかない。
チェーン店なら「coco壱番屋」や「ゴーゴーカレー」とかはあるけど、
昭和な時代はカレースタンドと言われるカウンターだけの安いカレー屋は多かった。
当たり前に食べられる王道なカレーは当たり前過ぎるから変わった物が求められ、
「リオ」だってタージマハルの写真が飾ってインドの気配を感じながら食べる店だった。
そもそもカレーのみで商売するのは難しいって思うけど、
白楽の「サリサリカリー」はパキスタンカリーのセットのみで商売して人気があるし、
関内の「べいらっきょ」はスープカレーのみで頑張ってる。
横浜オリジナルなスープに近いカレーを出す「アルペンジロー」もメインはカレーで、
サイドメニューを色々用意して呑みメインな客に対応しているのは
店舗所在地ならではの工夫。
ただ、インドとの付き合いが深かった横浜にはインド料理専門店が古くからあり、
そこにスリランカやパキスタン、東南アジア系が加わって個性的なカレー店が
増え続けている。
そんな中でKANは王道なカレーをメインに打ち出している希有な存在で、
そのカレーはトマトが多く使われた酸味もある好みの味。
だから、カレーが食べたくなったらKANに行きたくなるし、
夜も遅くまで頑張ってくれているという奇跡のマッチングなのだ。
「まだ良いですか?」
「大丈夫ですよ」
「助かった〜」
まだ良いですか?・・と言うのがクセになってるね。
それくらい遅い時間での食事が難しくなってて、
条例とかの関係で営業できない状況もわかってるからこその質問。
でも、飲食店側は生活がかかってての判断があるだろうから、
その都度確認するのが当たり前になっている。
「今日、ご飯終わっちゃったんですけど、大丈夫ですか?」
「そうなんですね。
それならカレーじゃなくて、今まで一度も食べなかったシチューにしようかな」
「バゲットになりますけど、焼きますか?」
「お願いします」
そう、ここは店名が「シチュー&カリー 横濱KAN」なので、
当然だけどシチューも売りなんです。
カレーな頭になってたのに気分がシチューにシフトしたのは、
カレーはやっぱりご飯と合わせたいのですよ。
それも王道なカレーなら、絶対にご飯マストなのですよ。
あ〜〜
美味いじゃんねぇ
でも、カレーでも良かったかも・・・
なんて思うのは、ここのカレーが好き過ぎるからだろう。
ただ、このゴロッとした肉の塊が入るのはシチューならでは。
そしてコイツの合わせたいのはワインだよね。
「それにしてもコロナ、いつまで続くんでしょうね」
「質が悪すぎる上に伝染力が強すぎるってのはわかるけど、
ここまで規制が強くなったままってのは、マジ恐いですね」
「補助金が出ても対策してないと、税金で困るって話もあるし、
飲食店には営業自粛を促してもエッセンシャルワーカーの職場には
勤務時間の変更が無いってのが恐いですよ」
「22時まで勤務でしたよね?」
「えぇ、だから23時とかに晩飯食いたいのに店がほぼ無い」
「無視して営業している店も、あるにはありますよ。
ウチはすれすれだけど」
「飲食が必要な人達がいて、働き場が必要な専門職がいて、
店の存続と人材の生活を考えて無視での営業をやってる店に対して
あまりに強い規制をかけるのはどうでしょうね。」
「難しいですよね。
ウチもスタッフ数減りました」
何か大きな問題が起きて勤務が続けられなくなった時、
パートタイマーやアルバイトをどう保護するかは、雇い主の考え方次第。
自分が営業に関わっていた会社では、
東日本大震災が起きた時に営業停止に追い込まれてしまった事があって、
社長と相談して1ヶ月以上職免扱いにして生活困窮に陥らないように
勤務無しでも給与を支給した。
ただ、コロナ禍ではそんな対応をしたら、会社が保たない。
如実に影響が出ている飲食業においては雇用される者が有期雇用者である確率は高く、
そんな対応を求められても対応ができない所が多いだろう。
雇用主は廃業を迫られ雇用される側は解雇に繋がりかねないこの事態は、
乱暴とも感じられる強さで規制を続ける事で深刻化するだろう。
ホント、いつまで続くんだろうね、コロナ。
ごちそうさまでした。
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