2021年1月11日月曜日

美濃吉で白味噌仕立ての雑煮とか

「正月に食べる特別なもの」と言われればやぱりおせち料理になるのだろうけど、
そもそもちゃんとしたおせち料理って食べてきていないので、雑煮の方がしっくりくる。
 
雑煮ってそれぞれの家で独特のルールがあって、
関東だからコレってパターンはあったとしても必ずしもそれに当てはまらないと
自分では思っている。
 
横浜もかなり多くの人達が地方出身者だったりするから、
子供の頃に友達の家で食べる雑煮のことを聞いてみるとかなり色々で驚かされ、
自分の家のものが如何に手抜きであったかたも知って、笑ってしまった事もある。
 
ちなみに当時の我が家の雑煮は、
何時もの味噌汁に焼いた餅を入れるだけのもの。
 
すまし汁に青菜と鶏肉や蒲鉾を入れる・・なんて洒落た江戸前の雑煮を味わったのは、
大人になってからだったし、関西風の丸餅を入れた白味噌仕立てのモノ、なんてのは
京料理店で料理を食べられるようになった頃に知ったワケだ。
 
どっちが好きかって言われれば、どっちとも言えない。
 
と言うか、どっちもちゃんと作られたものなら美味しいし、自分の中のベンチマークが
「ただの餅入り味噌汁」なので比べる意味さえない差があるのだね。
 
 
 
 
何時の頃からか、正月に京料理の店に行くようになっていた。
 
ここ数年、気に入っているのは美濃吉で、享保元年(1716年)に腰掛茶屋として
開業し「川魚生州八軒:として京都所司代より許可を受けて料亭として営業を続けている。
 
そんな店の正月の懐石料理には、正月らしく白味噌仕立ての雑煮が椀物として登場する。
だから松の内には行きたいと思うようになって習慣になって、
今年も訪れたのは美濃吉横浜ランドマークプラザ店だった。
 
一汁三菜が京懐石の基本とは言うけど、
京料理を出す和食店では本膳料理を基本としてアレンジして・・とか言いつつ、
贅沢に構成しているの現状。
美濃吉の構成はどっちかと言えば会席料理に近いと思っている。
 
先付
椀物
向付
焼物
旬菜
強肴
ご飯・止椀・香の物
菓子・茶
 
と言ったとこが基本だが、
コストによって強肴が無かったり焼物と旬菜が一体化したりして、基本構成として
抑えているのは2番目に出る椀物と最後に出るご飯、といったとこか。
 
 
 
 
椀物の後は向付としてお造りが登場する。 
京人参の赤の強さは鮪よりも派手で、色の構成が面白いと思わせるのは
やっぱり京料理の良ささと感じている。
 
 
 
 
焼き物にも色の遊びがあって艶やかだけど、この時点ではもう酒のアテとしてしか
見ていない。この後に旬菜としてトラフグのから揚げにカニが乗って餡がかかったものが
出たけど、目的の雑煮を食べちゃったので、気分としてはご飯に向けてのソフト
ランディングを狙う感じ。
 
コロナ禍という事もあって営業しているか不安ではあったけど、
客の数が少なくて落ち着ける空間ではあったけど、
飲食店全般が元気を失って食材もまた良い物が売れないから市場に出ない、
という悪循環を生んで、この店もかなり苦労しているのだと感じてしまう。
 
現役のうちに、元気で食べられるうちに、ちょっと贅沢したいと思っても、
それを許さない環境になっているのは天が「今はやめておけ」と入っているのかな。
 
ただ、それにしても量が食べられなくなった。
 
折角の釜炊きご飯を食べきれないのが勿体ないけど、
水菓子と葛切りは楽しみたいので、一膳のみで終了。
 
葛切りとお薄は美濃吉のコースに必ず付いてくるデザートだけど、
特に葛切りはそもそも葛が希少ということもあってか、この店でしか食べていない。
 
夏に南魚沼で薄荷葛きりというミントが効いた葛切りが食べられるらしいが、
リタイヤしたら行ってみても良いかもね。
 
ごちそうさまでした。

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