2023年3月24日金曜日

利久庵でつけ天とか

あぁ・・・
天ぷら食いたい。
 
上品なやつじゃなくて、蕎麦屋の様に汁にドップリ浸けてもへたらない衣がついた
庶民的な価格の天ぷらとアテにしてビールを飲みたい。
 
今日は定時で上がって世間様が店に到達する前に飛び込んで、
ユルッと飲んだくれたいのだ。
 
・・なんて思いながら、退職のための片付けを行っていた。
 
自分にしては珍しく2週間前頃から片付けを始めていたのは、
間違い無く時間がかかるとわかっていたからで、
それでも最初の一週間はまだまだ余裕な感覚でいたのに、
どうやらその判断はかなりギリギリだと気付いていた。
 
そりゃそうだわ。
40年以上働いていたから、それなりに捨てられない物も増えているんだわ。
という事で、ひたすらパッキングをしていて疲れてしまった、と。

と言う事で、とっとと帰るとして、
どこへ行くか・・・ですな。
 
吉野町の「茂」、三吉橋の「小嶋屋」、横浜橋の「江戸藤」、
馬車道の「蒼ひ」・・・いやいっそこの前行った関内の「利久庵」にするか。
 
こうやってどこへ行こうって考える時間、かなり幸せです。
 
ただ、最近の蕎麦屋は昼呑みできた店もコロナで客が減ってからは
昼にアイドルタイム入れる店が増えてきたんで、
確実に開いてる店がいいな、とは思っていて・・・
 
そうだ、利久庵に行こう!
 
この前行ってみて、開いてるのはわかってるんだ。
サラリーマンが殺到する前なら大丈夫だろう・・・・
 
ダメだった(T_T)
 
満席&既に順番待ちのひと4人。
でもシングルと3人組だから待つかね。
 
それにしてもまだ17時前なのに、既にヘロヘロになっちゃってる人多いねぇ。
あの4人がけテーブル、一人で占領してるなら相席させてくれないかなぁ・・・
とかワガママに考えつつ席が空くのを待っている。
 
これってある意味贅沢な時間ではあるなぁ。
・・なんて思ってたら、続々と順番待ちな客が入ってくる。
 
おいおい・・これって早めに入って正解だったのか・・・と思っていたら、
さっきの4人がけテーブルに座る人とかの待ち合わせで来る人も、多かった。
 
と、2人がけの小さなテーブルが空いた。
すると優先的に案内される。
 
あれ?
2組飛ばし?って思ったら、シングル客だと思った人は待ち合わせらしい。
程なくして4人がけテーブルに案内されたから、罪悪感は薄かったけど。
 
 
 
 
と言う事で、板わさ&日本酒です。
もう最初っから日本酒です。
 
利久庵は小田原スタイルで、山葵じゃなく山葵漬けで食べさせるスタイル。
玉子焼きが付いてるあたりが蕎麦屋の飲みたい人に好かれるのだろう。
 
隣は4人がけテーブルを2人で占領して長っ尻で飲んだくれてる老カップル。
不健康自慢な話とか、今日のデートの意味とかを他愛なく話しているのが
嫌でも聞こえてくる。
 
2人の関係は、どうやら長く付き合ってきた飲み屋のママ&太客のようで、
若い頃は色々と楽しい付き合いがあった事が想像できる会話だった。
 
でも、そんな感じが逆にこの店の魅力みたいなもので、
2人にとっては昔と変わらない味わいが記憶の鍵となって、
蘇る過去の楽しい時間を共有できているのだろう。
 
 
 
 
やっちまいました、「つけ天」です!
 
「上つけ天」だと海老2本ってメニューにあったので凄く惹かれたけど、
利久庵で「つけ天」を食べた事がなかったので、こっちを選んだ。
 
で、出てきて驚いたのは
この店の「つけ天」って、普通に天ぷら盛り合わせ&蕎麦だったって事。
 
メニューに「天ざる」とか「天せいろ」とかが無い時点で気付けって思うけど、
「つけ天」と言えば、海老天一本とかのリーズナブルなヤツって思い込みがあった。
 
「つけ天」で有名な老舗蕎麦屋の「角平」では、
海老天1本が丼に張られた汁に浸かって出てくるのがスタイルだったし、
「天ざる」とかがある店での「つけ天」は天ぷらの量が少ない=美味しい&安価
って物だった。
 
まぁ、良いっす。
食べたかったのは蕎麦屋の天ぷらなので・・・
 
え?
すっげ〜固いんですけど、衣。
これってやっぱ、汁をタップリ染みこませてから食べろって事なんだよね?
 
そしてそうやって食べても、衣はかなりしっかりとしていてへたりそうに無い。
これはもう、「つけ天」だけ頼んでゆっくり飲んでもかなり楽しかったかも。
 
いや、それこそ「天ぬき」だろう。
絶対楽しいよ、それ。
「天ぬき」で酒って、蕎麦屋呑みの贅沢だからねぇ。
 
 
 
 
蕎麦はざるスタイル。
でもって、やっぱり利久庵の蕎麦は美味いのよ〜。
 
これはもう、リタイヤしたら通う?ってくらいに楽しくて、
次はもっと早い時間に来ようって思ったね。
 
その楽しさを知ってる人がどんどん増えてきて、
順番待ち用シートに座りきれない状況が見てとれる。
 
きっと、あの1人で食ってるジジイ、
とっとと終わって席空けろ〜なんて思ってるよなぁ・・・
なんて、無言のプレッシャーを味わいつつ、蕎麦を手繰る手を早めた。
 
ごちそうさまでした。

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