2023年3月23日木曜日

海老原で頼んだ白鉄火

「寿司屋は顔だよ」
と営業の先輩によく言われていた。
 
それは、常連には一見客とは違う扱いがあるという意味であり、
上質な寿司屋は、一見客にそれを感じさせずに仕事をするという意味もある。
 
だからこそ飲食店においては、常連客となって関係を構築していく楽しみがあり、
新規開発する場合は、店が受け容れる感情が強い「開店から時間が経ってない時期」が
有利であったりする。
 
ただそれでも、寿司屋の常連になるのは敷居が高い。
 
何故なら、寿司屋は高度な接客技術があり、初見の客を上手く扱うのはお手の物。
良い客と判断すれば特別感を演出するし、常連にしたくないと感じたら
様々な手法で「お門違い」を感じさせるのだ。
 
なのでこちらも、
店が自分をどう値踏みするかを見ていたりする。
 
初見で値踏みされ「単価これくらいの客」と認知され、
コンスタントに通って金を落とし、礼儀をわきまえつつマイペースに楽しむ。
 
そうやって時間をかけるうちに店との関係が構築され、
居心地が良いと感じたら、はじめて常連の門が開いたと思って良い。
 
 
「ちょっとこれで凌いでいてください。
 お酒はいつもウィスキーで良いですね?」
 
「はい。
 今日は最初からにぎりを食べたいので、よろしくお願いします。」
  
「わかりました。
 漬けは食べますよね?」
 
「はい、お願いします」
 
 
 
 
あと1週間もすればお役御免となる身としては、
こうやって海老原に来る回数も減るだろうと思っている。
 
だけど、いつもと変わらない感じで会話をし、
いつもと同じ様にオーダーする。
 
アドベックが終わってしまって、
入るまでの間という事で竹鶴を入れているけど、
確かに和食との相性は良いと感じている。
 
にぎりは一通り飲んでから・・という人が多いけど、
自分はにぎりをつまみながら飲むのが好きで、
ストレートで飲むウィスキーの強さを酢飯が受けとめるので、
アスコットでもアイラと巻き寿司を合わせる事がある。
 
 
「そう言えば大将、長崎に行った時、空港の寿司屋で白鉄火を食べたよ。」
 
「白鉄火ですか?」
 
「なんかね、ハマチとかヒラス、ブリなんかを使ってるって言ってたけど
 マジに白いんだよ、鉄火巻きが。」
 
「へ〜
 初めて聞きました。」
 
「私も、空港の寿司屋のカウンターで食べてたら、
 板さんが勧めてくれて食べたんだけど、これが結構美味い」
 
「作ってみましょうか?」
 
 
 
 
無茶ブリっす。
 
あ〜、やっぱ美味いわ。
ネタを明かさないから何を使ったかわからないけど、
4月が近いからブリは使わないよね?
 
サワラか養殖ハマチかな。
いやカンパチ?
 
ま、美味しいんでOKですけど(^_^;
 
海老原は同伴客が居たりスモーカーが居たりで、
かなりカジュアルな店ではあるけど、客層は悪く無い。
 
スモーカーな客も吸わない人が同席している場合は遠慮してくれるし、
同伴客も姫が騒ぎそうならすぐに席を立つ感じ。
 
その他の常連は、どこかの医者だったり、
不動産関係だったりで、それなりに穏やかなので、
話しかけられれば、会話をする感じでの付き合いができている。
 
身体にトラブルが見つかったので検査結果次第だけど、
海老原の酢飯の味が好きなので、体調が保てていられるなら
また来たいと思っている。
 
それにしても、もう無理しなくて良いと思っちゃうと、
身体が一斉に悪い部分を見せてくるって、どんだけ・・・なんだろうね。
 
ごちそうさまでした。

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