「Trattoria NOTO」へ行こうと思い立った。
理由としては、ウニのパスタを食べたくなったから。
夏にウニ漁ができる地域が多いからか生ウニは夏に多く流通し、
結果、イタリアンで生ウニのパスタが食べられるのも夏となりやすい。
だからこの時期は美味いウニパスタが・・・と頭に浮かんだワケだ。
ウニを初めて食べたのは何時だったろう。
とにかく初体験は寿司屋で食べたウニの軍艦巻きだった。
トラウマがあって貝が一切食べられなかった自分が、
種類によっては食べられる事に気づいたのも寿司。
そして、そのトラウマを呼び起こす味わいに気づいてからは、
その気配を察知したら食べるのをやめる、という行動で克服して、
今では煮蛤も食べられるところまでいったのだけど、
当時の自分としては食べた事が無い海の物に対する恐怖はかなり大きかった。
皆が美味しいというその食材を試さなくてどうする?
って自問の中から「試す」という解を導いたら行動に移す。
ほろっとした舌触りと、トラウマが呼び起こされそうな匂いや味、
だけど無理!ってほどの拒否感情が起きなかったので、かなり躊躇しつつ飲み込んだ。
で、その後味をリセットするために酒をあおったら・・・
美味いかも?って感じてしまった事を思い出す。
そして、一度食べられる事がわかればもう・・・ねぇ(^_^;
「今日はイベリコ豚のローストがおすすめです」
「じゃ、セコンドはそれにしてプリモはウニのパスタを。
アンティは盛り合わせにします。」
「アペリティーボは如何しましょう?」
「スプマンテはグラスでありますか?」
「グラスですと『ドゥーカ』がご用意できます」
「ではそれで。
後で、料理に合う赤をグラスでもらえますか?」
「わかりました。
何本かお持ちしますね」
ここはトラットリアなので、一応イタリアンの流儀に従ってオーダーする。
さすがに夜に来てパスタのみってオーダーは失礼だしね。
ま、目的はプリモのウニのパスタだけどイベリコ豚のローストは自信の一皿だろうから、
牛を食べたい気持ちを押し込んでオーダーしてみた。
「NOTO」はバリバリのシチリア料理店。
スプマンテの「ドゥーカ」もシチリアの物だったし、
2杯目に飲むワインもシチリア系を持ってくるのかも知れない。
あ〜〜〜
やっぱ、これだよねぇ(^_^)
生ウニのパスタって、何故こんなにも美味いんだろうねぇ
記憶の中にある味わいを凌駕する楽しさ、たまりませんわ。
「今日は、ニコシアのネレッロ・マスカレーゼを使ったワインをオススメします。」
「ネレッロ・マスカレーゼって飲んだ事が無いですね」
「ピノ・ノワールに似てるとも言われていますが、エトナ山近くで栽培されていて
果実味もあって楽しいと思います。
他にはトスカーナのワインもありますけど・・・」
「いえ、飲んだ事が無いブドウのワインが気になります」
やっぱ、これだよねぇ(^_^)
生ウニのパスタって、何故こんなにも美味いんだろうねぇ
記憶の中にある味わいを凌駕する楽しさ、たまりませんわ。
「今日は、ニコシアのネレッロ・マスカレーゼを使ったワインをオススメします。」
「ネレッロ・マスカレーゼって飲んだ事が無いですね」
「ピノ・ノワールに似てるとも言われていますが、エトナ山近くで栽培されていて
果実味もあって楽しいと思います。
他にはトスカーナのワインもありますけど・・・」
「いえ、飲んだ事が無いブドウのワインが気になります」
イタリアワインに詳しいワケじゃないので、
そもそも葡萄品種で知ってるのはそう多く無い。
好きな赤ワインで使われるサンジョベーゼ、モンテプルチアーノ、バルベーラ、
ネロ・ターボラ、ネビオーロ、プリミティーヴォは知ってる(飲んでる)けど、
白ワインに至ってはモスカート、ピノ・グリージョくらいしか知らない。
プリミティーヴォはカリフォルニアワインのジンファンデルと同じDNAで知ったくらいで
飲むならジンファンデルの方が好きって程度の認知だ。
ただ、果実味があるならイベリコ豚のローストには合うかな?と考えて、
初めてのチャレンジにしてみた・・・と。
皮をクリスピーな感じに仕上げているイベリコ豚のローストは、
豚肉らしい味わいと食感が楽しいね。
お〜〜と叫びたくなるほどの感動は無いけど、
赤っぽく見えてもしっかり火が入っているローストの技術が、素晴らしい。
脂が浮くように見えるのはイベリコ豚の特徴でもある。
ベジョータとの表記が無いのでセボだと思うけど、
ワインとのマッチングは良くて楽しいセコンドになってくれた。
イタリアではアフリカ豚熱が発生していて、プロシュート(生ハム)を含め
豚肉の輸入は禁止中。
日本で言う鳥インフルエンザと同じ戦いが
彼の国でも起きているのだろうか。
ただレストランって(フレンチは特に)、輸入食材を使った料理が多いよね。
イベリコ豚とかフォアグラとか輸入食材でしか入手できないのはわかるけど、
地産地消なスタンスで食材を選んで作って欲しいと思うのは、正直なところ。
イタリアンは現地食材を生かす考え方があって、
地方での特徴有る料理を出す店も多くなっていて、
日本でも地域の優位性や特異性を料理に持たせて、唯一無二な料理を出す店が増えた。
神奈川県は地産地消食材に個性があるものも多く、
食べる側としてもそんな食材を使った料理を味わいたいと思うんだけど。
ただ、コスト問題は大きいし現地食材でしか作れない料理もあるのも当然で、
それを楽しめるのもまたその店の看板だと思っている。
でも、このイベリコ豚のローストを食べて感じたのは、
「高座豚」や「やまゆりポーク」(どちらも『かながわの名産100選』に選出)
などのブランド豚を使った方がもっと楽しいんじゃないかって事。
豚の種類が違うから、ローストした時にこんな風に脂が出ないかも知れないけど、
「やまゆりポーク」は脂身が美味しいから可能性はあると思うんだな。
勿論、ブランド豚だから一般の肉よりは高値になるので料理コストも上がるだろうけど、
シチリア料理と言いながらスペインのブランド豚を使うなら
神奈川県のブランド豚の方が魅力あると思うのは自分だけだろうか。
・・って、一消費者は勝手な事を考えちゃう。
でもこれもまた、料理の楽しみの一つなんだよね。
ごちそうさまでした。