香港好きだった理由に一つに
「安くて美味しい食事が多くある」ってのがあった。
あった・・と言うのは時代の流れによって味が落ちてきたからで、
昔ながらの仕事をする店が減ってきたって事らしい。
2019年に行った香港で食べた雲呑麺は結構残念で、
今となっては横浜中華街の「南粤美食」の方が美味しいと断言できる。
だが、そんな「南粤美食」はマスメディアで取り上げられて以来、
ラーメン屋もビックリな行列ができる店になってしまった。
まだ、コロナによる規制があるのに、密になりやすい狭い店なのに、
今なら空いているだろうと考えたろう客が押し寄せている。
そう言う自分も様子見で寄ってみたんだから仕方無いけど、
「南粤美食」なら鹹魚を使った煲仔飯があるので、あわよくば・・と思ってはいた。
残念、諦めます。
仕方無いので本通り方向へ。
あらら、本マスク着用とは言え子連れで来ている人までいるじゃん?
開いている店には客が集まってるし、どうしようね。
一度想像しちゃうと、頭にそれが残っちゃっていけない。
そう今は、鹹魚の塩辛く臭い味わいが漂っていて、
それを出してくれる店を記憶の中から探している状況になっているのだ。
あ、そうだ、「西遊記」なら「鹹魚鶏粒炒飯」があるはずだ。
店の外にある電飾看板に「鹹魚鶏粒炒飯」って書いてある炒飯が載っていたっけ。
「西遊記」はニューカマーな店の一つで王府井系の飲茶専門店。
飲茶専門店ってふれ込みはあっても、実際は食べ歩き客目当てな感じがあって、
「叉焼メロンパン」なる不思議なモノを売りにしていたりする。
とは言え、香港飲茶を気取っているんだし、
メニューにもしっかり「鹹魚鶏粒炒飯」と載っているのだから、
入った事無いこの店で、食べてみるのも一興だよね。
ちなみに鹹魚という香港の臭い干物は、「くさや」と同じで妙な魅力がある。
日本では手に入らない頃、あの周富徳が塩鮭で代用して炒飯を作っていたのは有名な話。
徐々に食材として輸入されだすと、高級店では一部の客のオーダーに対応すべく、
メニューに載ってなくても言えば作ってくれるようにまでなったが、
そんな店の「鹹魚鶏粒炒飯」は香港のソレとは別物で
どこに鹹魚がある?って感じの普通の炒飯に思える代物だったっけ。
だから、香港飲茶専門店と謳う店の「鹹魚鶏粒炒飯」、
気になるワケですよ。
あ・・終わった、と思ったのはメニューを見た時。
香港飲茶専門店と謳うわりには点心の数が少ないのだ。
店の入口も食べ歩き用料理を売るための造りでテーブルが少なく見えるけど、
座れたから気にしないで今日の目的「鹹魚鶏粒炒飯」を食べる事にする。
あら、レタスの湯引きがあるね、じゃ、それもオーダーしてみよう。
う〜ん、まぁ、こんなかんじだよね。
可もなく不可も無しな味付けだけどそれなりに頑張っている仕上がりだから、
香港で食べた事が無い人にとっては問題なく美味しさを感じられるだろう。
そして・・・
う〜ん、まぁ。。
こんなもんだよね。
ただ、鹹魚な香りと味は、それなりに感じられるのは嬉しい。
炒飯を土鍋に入れる意味がわからないし、通気性が悪いからご飯がベチャッとなりやすい。
でき上がったら平皿に乗せて出すだけでも、イメージ変わるんじゃないかなって思ったね。
それにしてもコストパフォーマンスはちょっと悪い?
これ、1320円だよ??
鹹魚ってそんなに高いのか??って突っ込みたくなるわ。
とは言え、これだけで判断するのもアレだし、
それなりに香港の気配は感じられたので、もう一回は来て確認しよう。
それにしても、コロナで飲食店はテイクアウトな方向へどんどんシフトして、
夕方に高級店で料理をテイクアウトする人が増えているらしい。
蜜を避ける意味も加われば、食べ歩きなスタイルが染み付くのも時間の問題。
そしてそのスタイルは、長引くコロナ禍で生活様式になりつつある。
コロナがクリアになったらどうなっているのやら・・って思うの、自分だけだろうか。
ごちそうさまでした。